二宮: 2010年から支援している「NIPPON IT チャリティ駅伝」は今年で3回目を迎えました。改めてこのイベントの意義とは?

渡邉: 引きこもっている人たちは全員、社会復帰を望んでいるんです。しかし、自分ではどうしていいのかわからない。周りからの支援もなかなか進まないということで、どんどん社会から取り残されているという意識が強まっていくんですね。つまり、社会から無視をされていると思ってしまうんです。

 

二宮: 孤独感は深まる一方だと。

渡邉: そうなんです。しかし、チャリティ駅伝はそうしたひきこもりの人たちを支援しようと、みんなが協力して走っているわけです。これは彼らにしてみたら、嬉しいことですよね。

 

二宮: 引きこもっている人たちは家から外に出ることができませんが、どのようにして駅伝の模様を目にすることができるのでしょうか?

渡邉: 参加した人たちがビデオを投稿してユーストリーム(第1回、2回はYOUTUBEで視聴可)で見ることができるようになっていますので、いつでも、どこからでも見ることができます。「こんなにも大勢の人たちが、僕たちのために走ってくれているんだ」と思った瞬間に、外に出る勇気も湧いてくると思うんです。

 

二宮: なるほど。まずは孤独感からの脱却が社会復帰の第一歩となるわけですね。

渡邉: はい、その通りです。外に出てしまえば、あとは社会復帰への道をこちらが用意して待っていますから、安心して出てきてほしいですね。

 

 団結力を生むスポーツ選手雇用

 

二宮: アイエスエフネットでは、障がい者スポーツ経験者の採用を積極的に行なう方針を打ち出しています。これはどういう理由からなのでしょうか?

渡邉: 全ての可能性のある人たちを分け隔てなく雇用することが、我々のモットーです。しかし、スポーツに携わっている人たちとのコネクションがなかなかもてなかったこともあって、スポーツ選手への雇用が広がっていませんでした。そこで、その部分にもきちんと目を向けていこうと。

 

二宮: スポーツ経験者を雇用することによって期待しているものとは?

渡邉: 障がい者スポーツ経験者がスポーツを通して培ったリーダーシップや忍耐力、チームワークなどが、仕事をする上で活かされると考えています。さまざまな障がいがある仲間をけん引してくれるリーダーとして活躍してもらいたいと思っているんです。また、これから日本全国にアイエスエフネットグループを展開してまいりたいと考えています。一緒に雇用創造・創出をしてくださる方がいらっしゃいましたらお気軽にお問合せ下さい。弊社では常時、説明会を開催しています。

 

(おわり)

 

渡邉幸義(わたなべ・ゆきよし)プロフィール>

1963年、静岡県生まれ。武蔵工業大学(現東京都市大学)出身。1986年、日本ディジタルイクイップメント株式会社(現日本ヒューレット・パッカード株式会社)入社。2000年に株式会社アイエスエフネット会社を設立した。現在は全国に35拠点、海外6カ国で事業を展開している。2010年、特定非営利活動法人Future Dream Achievementを設立し、「NIPPON IT チャリティ駅伝」を支援するなど、就労困難者のサポート活動を行なっている。

アイエスエフネットグループ http://www.isfnet.co.jp/


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