二宮清純: 今回のゲストはソルトレイクシティ、トリノ五輪女子フィギュアスケート元代表で、現在はプロの振付師としてご活躍されている村主章枝さんです。お酒は好きですか?

村主章枝: 宜しくお願いします。昔はワインをよく飲んでいまいた。今は嗜好が変わって焼酎や梅酒を飲みますよ。実は今日の対談がすごく楽しみでした(笑)。カナダから飛んできました。

 

二宮: カナダからですか!?

村主: ええ。今は、カナダと日本で指導しています。日本に帰ってきて、すぐに焼酎が飲めるなんて素敵な対談ですね(笑)。


乾杯候補2(加工済み)

二宮: 今日はそば焼酎『雲海』の「そばソーダ」を飲みながら村主さんにフィギュアスケートについて語っていただきます。お味はいかがですか?

村主: (飲んだ瞬間)美味しい! すごく美味しい! クセがなくて飲みやすいです。

 

 

二宮: いきなりゴクリといきましたね(笑)。

村主: ソーダで割ると女性向けの味になりますね。口当たりがさっぱりしています。焼酎を炭酸で割ると、こんなに爽やかになるなんて知らなかった……。

 

 

二宮: 今日は九州料理を食べながら、グビグビやりましょう。

村主: お酒の味だけが目立つと、料理の味が引きたたない。「そばソーダ」は絶妙なさじ加減ですね。お食事の時もぴったりなお酒です。

 

二宮: “この時のお酒は特に美味しかった”という思い出は?

村主: いつも美味しいです(笑)。大会で良い成績を残した後は飲みたくなるのですが……。フィギュアスケートの場合、ショートプログラムとフリープログラムで結果が出ます。ですが、大きい大会だと翌日エキシビションがあるんです。だから、羽目を外すわけにはいかないんですよね。

 

二宮: ホッと一息つくためにも飲みたいでしょう。

村主: オン・オフの切り替えがあまり上手ではないので、お酒の力を借りることで心も体も緩めることができて、とても助かります。

 

二宮: 村主さんは2度、五輪に出場しています。選手村にお酒は置いてあるのですか?

村主: ソルトレイクシティ五輪はお酒はありませんでした。トリノはあったかなァ。どっちにしろ私には余裕がなくて、お酒を飲もうなんて考えは浮かびませんでした。

 

指導者としての苦悩

 

村主ソロ(加工済み)二宮: 現役時代、村主さんは表現力が豊かで美しいスケーティングをされていました。

村主: こまやかに動かなければいけないなど、現役時代は厳しく指導されましたから。それに私の振付師は海外の方でした。振付師が日本人の私の良さを引き出してくれていた気がしますね。

 

二宮: 現在は、子供たちの指導をされています。

村主: 私が五輪に出場したときには、まだ生まれていないという生徒もいますよ(笑)。

 

二宮: ソルトレイクシティ五輪とトリノ五輪の時ですから、2002年から2006年ですよ?

村主: 私もびっくりですよ(笑)。今は小中学生を中心に指導しています。仮に2002年に生まれていたとしても、その子はまだ15歳くらいですからね。

 

二宮: なるほど。指導する上での難しさは?

村主: 振付した動きに感情を乗せて表現させるのが難しいです。

 

二宮: 持って生まれたものもあるでしょうね。

村主: 教えなくてもできる生徒はいますが、大半は私の動きを形で追ってコピーするだけ。そこの部分がどうしても、嘘っぽくなってしまうといいますか……。本当に演じるのではなく、作った演技になってしまうんですよね。

 

二宮: 取ってつけたような演技になってしまうと?

村主: そうなんです。やはり、感情表現の部分を育てるには、本人が“楽しかったこと、悲しかったこと”を経験することが一番です。

 

二宮: フィギュアスケートは子供よりも親が熱心なケースも多いと聞きます。

村主: そうですね。私もこの子は親にやらされているなァと感じることがあります。

 

二宮: 親が子供を操り人形のようにしてしまうのは、良くないですよね。

村主: フィギュアスケートは本当にお金がかかりますから、ご両親のご理解がないとできない競技です。でも、子供の意思がなくなってしまうと教える側は一番困ってしまう。自分の気持ちを体全体で相手に伝えるということがとても大事な競技ですから。

 

二宮: 村主さんが演技をする時は、イメージするヒロインに完全になり切っていましたよね。

村主: 作品や音楽を解釈して、自分なりにストーリーを描いて演じていました。それが伝わっていたのならすごく嬉しいです。

 

二宮: やはり、感性が大事だと?

村主: (振りを細かくつけなくても)すぐにできてしまう子もいます。例えば、ピアノを習っていた子はある程度、音を聞いてリズムが自然と取れるなど、育った環境も大きく影響しますね。

 

二宮: カナダの選手と日本の選手の違いは?

村主: カナダにいる子たちは感性が豊かな気がします。でも運動能力は日本にいる子の方が高い気がします。

 

二宮: それはトレーニングの違いからくるもの?

村主: カナダの場合は、小さな頃からフィギュアスケートだけを一生懸命やるということがあまりない。そももそ、スケートの練習をそれほど多くはやらないんです。カナダの子にトレーニングをがんがんやらせると、親が「なんでこんなにやらないといけないの?」という雰囲気を出してきます。

 

二宮: 国民性の違いもあるのでしょうか。

村主: そうだと思います。カナダではスケートが日常生活の中に溶け込んでいるので、競技というより、遊びに近い感覚です。スケートリンクに行っても、貸し靴がないんですよ。みんなマイシューズを持っているのが、当たり前ですから。

 

二宮: スケートが生活の一部となっているんでしょうね。

村主: ええ。カナダはスポーツ用品店に行けばスケート靴が売っています。そこも日本とは違いますね。そして同じ氷上の競技でも、ホッケーの方がプライオリティが高いです。

 

二宮: カナダにはアイスホッケーの最高峰リーグNHLのチームもありますからね。

村主: どちらかといえばカナダでアイスホッケーを子供に習わせている親の方が、日本のフィギュアスケートを習わせている親に似ている気がしますね。

 

表現者としての視点

 

笑顔ソロ(加工済み)二宮: 最近は芸能活動にも力を入れるなど幅広くご活躍されています。テレビでよく村主さんを拝見しますよ。

村主: 今はプロの振付師の視点から、役者さんにも興味があるんです。調べてみると、役者さんには演技の技法や、メソッドがある。当然、自分がやったことがないことも配役としてまわってくることもある。そういう時の役作りはどうしているのだろう、と……。

 

二宮: 役作りという点ではフィギュアスケートとの共通点も多そうですね。

村主: 自分ができるかはわかりません。ただ、勉強しておいてもいいのかな、と思います。そうすれば、感情の部分の表現が苦手なフィギュアの生徒たちにも、教えてあげられるかもしれないですから。

 

二宮: 映画や舞台などは、よく鑑賞されるのですか?

村主: 赤坂で行われているミュージカル「ロミオ&ジュリエット」はとても勉強になりました。流れが素晴らしかった。セットが変わって、役者さんが出てきて、音がポンとなる。その間が絶妙でした。

 

二宮: 見るところが違いますね。

村主: “なんか良かった”で終わらせず、“どうして良いのだろう”と原因を探るようにしています。

 

二宮: 舞台は裏方さんの働きも大事になります。

村主: 「ロミオ&ジュリエット」では監督さんのキュー出しの間の調整具合も良かったのだと思います。

 

二宮: 表現者ならではの視点ですね。表現といえば、村主さんがヌード写真集を出したと伺いました。

村主: 思いがけず話題になってしまいました……。自分としては芸術作品として撮ってもらったつもりなのですが、報道ではどんどんエロい方向に寄って行ってる気がします(笑)。

 

二宮: アハハハ。担当者に聞いておきます。

村主: だから見ていただくと分かるのですが、全然エロい感じではありません。エロいのを期待していた方には本当にすみません、という気持ちです……。

 

二宮: あれこれ語っているうちに、もうグラスが空いてしまいました。

村主: ソーダで割っているから後味もスッキリで、もう飲んでしまいました。

 

二宮: お酒を飲んでも素面の時とあまり変わりませんね。

村主: そうですか? お酒の力で喋りすぎた気もします(笑)。

 

二宮: 後編では3月29日に開幕する世界フィギュア選手権についてお伺いします。

村主: この大会は平昌五輪の出場枠が懸かっています。選手たちには頑張って欲しいですね。

 

(後編につづく)

 

プロフィール(加工済み)<村主章枝(すぐり・ふみえ)プロフィール>

1980年12月31日、横浜市出身。6歳でフィギュアスケートをはじめ、97年の全日本選手権では16歳の若さで初優勝した。その後、01年からの3連覇を含む5度の制覇。02年ソルトレイクシティ五輪では日本人トップの5位入賞を果たす。02、03年と世界選手権2大会連続銅メダルを獲得し、03年にはISUグランプリファイナルを制し、日本人初の優勝を成し遂げた。06年トリノ五輪では4位に入り、2大会連続の入賞を果たした。同年世界選手権では銀メダルを手にした。14年11月に現役引退を表明。現在はプロの振付師として日本やカナダで指導を行う。17年2月には写真集「月光」(講談社)を発売。

 

 今回、村主さんと楽しんだお酒は本格そば焼酎「雲海」。厳選されたそばと、宮崎最北・五ヶ瀬の豊かな自然が育んだ清冽な水で丁寧に造りあげた深い味わい、すっきりとした甘さと爽やかな香りが特徴の本格そば焼酎です。ソーダで割ることで華やかな甘い香りが際立ちます。

提供/雲海酒造株式会社

 

店の写真(加工済み)<対談協力>

九州料理と焼酎 尊 ~MIKOTO~ 品川イースタンタワー店

東京都港区港南2-16-1 品川イースタンタワー1F

TEL:03-6718-2911

営業時間: ランチ(月曜日~金曜日)/11時30分~14時

     ディナー/月曜日~木曜日&土・日曜日、祝日16時~23時30分、金曜日16時~24時

定休日・無

 

 

 

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☆プレゼント☆

 村主さんの直筆サイン色紙を本格そば焼酎「雲海」(900ml、アルコール度数25度)とともに読者3名様にプレゼント致します。ご希望の方はこちらのメールフォームより、本文の最初に「村主章枝さんのサイン希望」と明記の上、下記クイズの答え、郵便番号、住所、氏名、年齢、連絡先(電話番号)を明記し、このコーナーへの感想や取り上げて欲しいゲストなどがあれば、お書き添えの上、送信してください。応募者多数の場合は抽選とし、当選発表は発送をもってかえさせていただきます。締切は4月27日(木)までです。たくさんのご応募お待ちしております。なお、ご応募は20歳以上の方に限らせていただきます。

 

◎クイズ◎

今回、村主章枝さんと楽しんだお酒の名前は?

 

お酒は20歳になってから。

お酒は楽しく適量を。

飲酒運転は絶対にやめましょう。

妊娠中や授乳期の飲酒はお控えください。

 

(構成・写真/大木雄貴)


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