第4回WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)は12日から2次ラウンドが始まった。E組第2試合の日本対オランダは延長11回までもつれこんだが、8対6で日本が勝利。決勝トーナメント進出に幸先の良いスタートを切った。

 

◇WBC2017 2次ラウンドE組
 中田翔が延長勝ち越し打(日本1勝、東京ドーム)
日 本  8 = 014|010|000|02
オランダ 6 = 014|000|001|00

勝利投手 牧田(1勝0敗)
敗戦投手 ストフベルゲン(0勝1敗)
本塁打  (日)中田3号3ラン
     (オ)J・スクープ1号ソロ、バレンティン1号2ラン

 

 B組1位で2次ラウンドに進んだ日本は、初戦となるオランダ戦で大きく打順を変更してきた。5割4分5厘とチームトップの打率を残し1次ラウンド突破の原動力になった好調の松田宣浩(福岡ソフトバンク)をスタメンから外し、代わって三塁には田中広輔(広島)を1番で起用。8番は初スタメンのセンター秋山翔吾(埼玉西武)。青木宣親(アストロズ)が3番ライトに入り、鈴木誠也(広島)はベンチスタートとなった。先発は日本が石川歩(千葉ロッテ)、オランダはリック・バンデンハーク。

 

 先制したのは日本だった。2回表、中田翔(北海道日本ハム)が1ボール2ストライクと追い込まれながらも外角のカーブを最後は左手1本でレフト線へ運び、ツーベース。坂本勇人(巨人)が送りバントを決めて1死三塁。ここで打席に入った秋山がレフトに犠牲フライを放ち先制した。

 

 オランダがジョナサン・スクープのソロホームランで同点に追いついて迎えた3回表、菊池涼介(広島)が内野安打、青木も三塁強襲ヒットで出塁して一死一、二塁。4番の筒香嘉智(横浜DeNA)は三振に倒れたが、5番の中田がレフトスタンドに3ランホームラン。日本はその後、秋山のタイムリーヒットで1点を加えてオランダを突き放した。

 

 5-1とリードされたオランダはその裏、すかさず反撃に出る。ラストバッターのランドルフ・オデュベルがライト線にツーベース。続くアンドレルトン・シモンズがタイムリーヒットを放ち1点。2番ジュリクソン・プロファーが一塁強襲安打で一死一、三塁。3番サンダー・ボガーツの犠牲フライで2点差としたオランダは、4番ウラディミール・バレンティンがレフトポール直撃の同点2ランを放ち勝負は振り出しに戻った。

 

 4回から2番手の平野佳寿(オリックス)が登板。平野は打者3人できっちりと締めくくり5回表、日本の攻撃は6番の坂本から。坂本はセンター前ヒットで出塁し、バッテリーエラーの間に二塁へ進んだ。山田哲人(東京ヤクルト)、秋山が倒れて2死となったが、9番小林誠司(巨人)がセンター前に弾き返して日本が三度目のリードを奪った。

 

 5回裏から日本のマウンドには千賀滉大(福岡ソフトバンク)が上がった。オランダはトップバッターから始まる好打順だったが、千賀はヒットは許したものの2イニングを無得点で切り抜けた。

 

 日本は7回裏、1死一塁で菊池がボガーツのセンター前に抜けようかというヒット性の打球を好捕。キューバ戦に続いて守備で投手陣を助けるシーンもあった。

 

 1点リードの日本は継投で逃げ切りを図る。7回は松井裕樹(東北楽天)、秋吉亮(東京ヤクルト)、8回は宮西尚生(北海道日本ハム)、増井浩俊(北海道日本ハム)、9回は則本昂大(東北楽天)とつないだ。8回は1死満塁のピンチを切り抜けたものの、9回は2死一、三塁からJ・スクープがセンター前に同点タイムリー。試合は延長戦に入った。

 

 10回表、1死から9番の小林がセンター前ヒットで出塁。1番田中の代打で出た内川聖一がインコースのボールに詰まりながらもレフト前にポトリと落ちるツーベース。1死二、三塁、オランダバッテリーは2番の菊池を敬遠。3番青木をセカンドへの併殺打に打ち取った。

 

 10回裏、則本から代わった牧田和久(埼玉西武)が3人で抑え、試合は11回表へ。大会ルールによりこの回から無死一、二塁で始まるタイブレークとなった。
 日本は菊池、青木がランナーとなり打席には鈴木。鈴木は初球で送りバントを決めて1死二、三塁。続く中田がセンター前に弾き返して二者が生還、日本が8-6と4度目のリードを奪った。

 11回裏、オランダは先頭打者が内野フライを打ち上げて1アウト。10回から続投の牧田がボガーツをサードゴロ、カリアン・サムスをキャッチャーファウルフライに打ち取ってゲームセット。4時間46分の熱戦をものにした。

 

 日本の次戦は14日、対キューバ(東京ドーム・19時)。E組第1試合のキューバ対イスラエルはイスラエルが4-1で勝利し1次ラウンドから無傷の4連勝を飾っている。