ロシアW杯アジア最終予選のB組第6節が23日(日本時間24日)に行われ、同組2位の日本代表(FIFAランキング51位)は4位のUAE代表(同68位)とアウェーで対戦し、2-0で勝利した。試合は前半14分にFW久保裕也が先制点を決めた。後半に入ると6分にMF今野泰幸が追加点を奪い、無失点で逃げ切った。B組2位をキープした日本は4日後、埼玉スタジアムで同組6位のタイ代表(同127位)と対戦する。

 

 今野、長谷部の穴を埋める働き(アルアイン)

日本代表 2-0 UAE代表

【得点】

[日] 久保裕也(14分)、今野泰幸(51分)

 

 日本はアジア最終予選の初戦でUAEと対戦し、ホームで敗れた。今回はリベンジを果たすべく、アウェーに乗り込んだ。ヴァイッド・ハリルホジッチ監督は右膝の負傷により戦線離脱したMF長谷部誠に代わり、今野を先発で送り出した。

 

 前半から日本は積極的にゴールを狙う。5分、7分と立て続けにFW大迫勇也がシュートを放つ。得点には至らなかったが、流れを引き寄せるには十分だった。

 

 14分、日本は先制点を奪う。右サイドの高い位置でDF酒井宏樹がボールを持つと、久保が酒井の内側をスルスルと駆け上がる。久保はペナルティーエリア内右サイドへ走り込み、酒井のスルーパスを受け取ると、角度のないところから右足でゴール右を狙った。シュートは相手GKハリド・エイサのニアを破ってゴールネットに突き刺さった。久保のA代表初ゴールは日本に大きなアドバンテージをもたらせた。

 

 しかし20分、日本にピンチが訪れる。FWアリ・マブフートがペナルティーエリア内右サイドに抜け出し、GK川島永嗣との1対1の場面となった。この窮地に川島はマブフートのシュートを身を挺して止めた。経験値の高さを買われて9カ月ぶりにスタメン起用された川島は、指揮官の期待にビッグセーブで応えた。

 

 ピンチの後、日本は落ち着いて試合を進めた。今野の攻守にわたる活躍もあり、相手の攻撃の芽を中盤で摘み続けて試合を折り返す。

 

 後半に入り、立ち上がりは押し込まれた日本。流れを変えたのは2年ぶりに代表復帰をした今野だった。6分、久保が左足で右サイドからファーサイドにクロスを供給する。このボールに中盤から上がってきた今野がフリーで胸トラップ。すぐさま右足で放ったシュートは相手GKの股をすり抜けゴールネットを揺らした。

 

 日本は2-0になってからUAEにチャンスらしいチャンスを作らせなかった。大迫、FW原口元気、久保らの頑張りで前線までボールを運ぶ。日本はうまく時間を使いながら無失点で試合終了。アウェーで1度も勝ったことのないUAEを相手に危なげなく勝利した。

 

 試合後、1ゴール1アシストを決めた久保は「(酒井)宏樹さんからいいパスが来た。フリーだったので(右足を)振り抜こうと思った。チームに貢献したかった」と語った。ハリルホジッチ監督は「素晴らしい勝利だった。うまくゲームをマネジメントできた」と試合を振り返りつつ、「タイ戦で勝てないと、今日の勝利が無駄になってしまう」と表情を引き締めた。

 

 アジア最終予選の後半戦を白星で発進した日本は、勝ち点を13に積み上げた。タイに勝利したサウジアラビアとは得失点差のみの2位をキープした。日本は28日に埼玉スタジアムでタイと対戦する。タイにも勝ってW杯自動出場圏内の2位以内を保ちたい。

 

(文/大木雄貴)