(写真:「チームを信頼している。うまくいかなかったら私の責任」と意気込むハリルホジッチ監督)
日本サッカー協会は16日、「2018FIFAワールドカップロシア アジア最終予選」のUAE代表(FIFAランキング68位)戦、タイ代表(同127位)戦のメンバー25人を発表した。MF倉田秋(ガンバ大阪)、MF今野泰幸(ガンバ大阪)、MF高萩洋二郎(FC東京)らが招集された。また所属クラブで試合の出場機会に恵まれていないMF本田圭佑(ACミラン)、DF長友佑都(インテル・ミラノ)も選出された。UAE戦はアウェーで日本時間24日、タイ戦は28日にホームで行われる。
W杯アジア最終予選の後半戦が始まる。日本はUAEにホームで行われた初戦で敗れている。リベンジを果たすためにヴァイッド・ハリルホジッチ監督は選手の経験を重視した。選考基準について指揮官は「MF大島僚太(川崎フロンターレ)、MF井手口陽介(ガンバ大阪)、MF小林祐希(ヘーレンフェーン)、MF柴崎岳(テネリフェ)よりも、今回は経験値の高い選手を選んだ」と語った。
今野は約2年ぶり、倉田は約1年8カ月ぶり、高萩は約3年8カ月ぶりの代表復帰となった。今野の招集理由を指揮官はこう説明した。
「今野はコンディションが良いし、経験値も高い。次の試合は経験が必要になる。今野が(メンバーに)入ることは驚きではない。フィジカル的な戦いにもなるので有力な選手だ」
今野と同じG大阪からは倉田も選出された。今季、G大阪は3-5-2の新システムを導入している。倉田はFWの後方でプレーしながら、低い位置での守備もこなす。ハリルホジッチ監督は倉田の印象を「新しい役割をこなしている」と口にし、こう続けた。
「右、左、中央と様々なところに動く。チームに何かをもたらすことができる選手」
2015年に監督に就任したハリルホジッチは代表の面子を固定しがちだったが、久しぶりにメンバー発表の会場がどよめいた。それは画面に高萩の名前が映し出された時だった。オーストラリア、韓国を渡り歩き、3年ぶりにJリーグへ復帰したファンタジスタを指揮官はこう評した。
「去年から追跡していた。今も良いパフォーマンスを見せていて、興味深かった。183センチと体格にも恵まれている。FC東京は彼からのボールでゲームが動く。組み立ての中で違いを見せている。守備は今野やMF山口蛍(セレッソ大阪)ほどできないが、ボランチを組む相手と補い合うことはできる」
指揮官は高萩のフィジカルコンタクトの激しいオーストラリア、韓国のリーグでの成長を評価したのだろう。高萩に対する期待値は高い。トップ下、ボランチの位置から高萩が繰り出す創造性豊かなパスが、難局を乗り切る武器になる。
現在、日本はB組2位で、W杯出場圏内だ。だが、3位オーストラリア(FIFAランキング55位)、4位UAEとは勝ち点差がわずかに1しかない。復帰組と常連組が一丸となり、まずはUAEに勝利し、勢いに乗りたい。
【日本代表メンバー】
GK
川島永嗣(FCメス)
西川周作(浦和レッズ)
林彰洋(FC東京)
DF
長友佑都(インテル・ミラノ)
槙野智章(浦和レッズ)
森重真人(FC東京)
吉田麻也(サウサンプトン)
酒井宏樹(マルセイユ)
酒井高徳(ハンブルガーSV)
昌子源(鹿島アントラーズ)
植田直通(鹿島アントラーズ)
MF
今野泰幸(ガンバ大阪)
長谷部誠(フランクフルト)
高萩洋二郎(FC東京)
倉田秋(ガンバ大阪)
香川真司(ドルトムント)
清武弘嗣(セレッソ大阪)
山口螢(セレッソ大阪)
FW
岡崎慎司(レスター・シティー)
本田圭佑(ACミラン)
大迫勇也(ケルン)
原口元気(ヘルタ)
宇佐美貴史(アウクスブルク)
久保裕也(ヘント)
浅野拓磨(シュツットガルト)
(文・写真/大木雄貴)