愛媛FCは10日、今季限りで事実上の解任となったイヴィッツア・バルバリッチ監督の後任に、石丸清隆ユース監督が昇格すると発表した。石丸新監督は2005年のシーズン途中から約1年半、愛媛でプレーしており、引退後もトップチームコーチ、ユース監督を務めてきた。過去最高の9位以上を目標に置く来季は、クラブを熟知した人物に舵とりを託すかたちになる。
 石丸新監督は大阪府出身の39歳。阪南大を経て96年にアビスパ福岡でプロ生活をスタートし、主にボランチとして活躍した。01年にJ2の京都パープルサンガ(現・京都サンガF.C.)に移り、同年のJ1復帰に貢献。翌年は天皇杯制覇も経験している。05年10月、J昇格を目指していた愛媛に期限付き移籍すると、J2初年度となった06年までプレーした。ベテランらしい落ち着いたプレーで中盤を支え、31試合で1得点をあげた。現役を退いた翌年からはトップチームコーチ、10年からはユース監督と愛媛で指導者として経験を積んできた。

 クラブでは後任人事でJクラブの指揮経験がある人材の外部招聘も検討していたが、最終的には内部昇格に落ち着いた。予算的に大型補強が難しい愛媛の現状を踏まえれば、若手を育てながらチームづくりをしていく作業は不可欠だ。ただ、これまでは他クラブからの期限付き移籍に頼るケースが多かった。石丸監督には3年間、ユースを見てきたこともあり、自らが指導した選手たちをいかにトップチームの戦力にするかも求められている。