8回が終わって4対1。カープファンの10人のうち9人までが今季24勝目を確信していただろう。ましてや本拠地である。

 

 しかし、終わってみれば4対5の逆転負け。首位・阪神に2.5ゲーム差をつけられた。

 

 17日の横浜DeNA戦。カープはクローザーとして9回のマウンドに上がった今村猛が3点差を守り切れなかった。味方の拙守にも足を引っ張られた。

 

 延長10回に4人目の一岡竜司が2四球と自らの失策で傷口を広げ、あっさり勝ち越し点を許した。同じ負けるにしても、ベンチにとっては後味の悪い負けだったはずだ。

 

 17日現在、カープの打率2割7分8厘はリーグトップ。対照的に防御率は3.84で横浜DeNAに次いで悪い。典型的な“打高投低”の様相を呈している。

 

 とりわけリリーフ陣が不安定で、安心して見ていられるのはセットアッパーのジェイ・ジャクソンくらいのものだ。18試合に登板し、早くも12ホールドを記録している。防御率は何と0.00。

 

 このジャクソンをクローザーで使ってみてはどうか、とも思う。仮に昨季、34セーブをマークした中崎翔太が脇腹の故障から復帰しても、古傷に不安を抱えたままでは多くは望めまい。

 

 その一方で、「最近の野球は9回よりも8回のほうが大事。8回に頼りになるピッチャーを置いていたほうがいい」(カープOBの川口和久)という声もある。ベンチも思案投首だろう。

 

(このコーナーは二宮清純が第1、3週木曜、書籍編集者・上田哲之さんは第2週木曜を担当します)


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