第96回 19年ぶりのレアルvs.ユーベ決戦! ビッグイヤーはどちらに ~UEFAチャンピオンズリーグ決勝~
2016-17シーズンのUEFAチャンピオンズリーグ決勝は6月3日、20時45分(日本時間4日3時45分)にキックオフを迎える。ファイナルの舞台はカーディフのウェールズ国立競技場。1992年から採用されている現行制度で史上初の2連覇を懸けて臨むレアル・マドリード(スペイン)と、95-96年シーズン以来となる21年ぶりの優勝を目指すユベントス(イタリア)が激突する。
C・ロナウド擁する“白い巨人”
両雄とも持ち味を発揮して決勝まで勝ち上がってきた。
まずレアルである。
グループリーグこそ2位で通過したものの、決勝トーナメントに入ってからはエンジン全開だ。1回戦ではナポリ(イタリア)を2戦合計6-2で退け、準々決勝では2年前までチームの指揮を執っていたカルロ・アンチェロッティ監督率いるバイエルン・ミュンヘン(ドイツ)と対戦。大暴れしたのが、エースのクリスティアーノ・ロナウドだった。
敵地アリアンツ・アレーナで行なわれた第1戦。バイエルンに先制を許したが、PKを阻んで次第にレアルのペースに。後半開始早々にC・ロナウドが味方のクロスを右足で合わせて同点にすると、32分にもクロスに飛び込んで2点目を挙げて2-1で勝利した。
ホームに戻った第2戦はバイエルンの猛攻に遭い、延長戦にもつれ込みながらC・ロナウドがハットトリックを達成して粘る相手を振り切っている。
準決勝の相手は昨年、ファイナルを戦った宿敵のアトレティコ・マドリード(スペイン)。そしてここでもC・ロナウドは獅子奮迅の活躍を見せ、ホームの第1戦で2試合連続となるハットトリックを達成した。
近年のC・ロナウドは味方との連係を重視して、ゴールまでたどり着くシーンが目立つ。この日の3点目に良くあらわれていた。
自陣からのカウンター。右サイドにいたC・ロナウドはドリブルで内へと切り込んでいく。外を回らせたルーカス・バスケスにはたき、自分は中へとポジションを移す。そしてゴールライン沿いに突破してきたバスケスからボールを受けると、一度止めてからGKの動きを見てインサイドキックで流し込んでいる。
冷静に、正確に。ゴールのイメージを味方と共有し、かつ、つくったチャンスをしっかりとモノにする。「個」にプラスして「組織力」がC・ロナウドのゴール量産を後押ししている。
ロナウドは今大会10ゴールを挙げ、得点ランキングは11ゴールのリオネル・メッシ(バルセロナ)に次ぐ2位。決勝戦でゴールを挙げれば、前人未踏の5シーズン連続得点王となる。
隙のない堅守の“老貴婦人”
一方のユベントスは、危なげない勝ち方で決勝に駒を進めてきた。
グループリーグは順当に首位通過。6試合で11得点2失点と、攻守において他を圧倒している。
強いユベントスを天下に知らしめたのが、準々決勝のバルセロナ戦だろう。相手は決勝トーナメント1回戦でパリ・サンジェルマン(フランス)に対して4点ビハインドをひっくり返して勢いに乗っていた。そして2年前のファイナルで苦渋をなめさせられた因縁の相手でもある。
ホーム、ユベントス・スタジアムでの第1戦。前半7分にパウロ・ディバラが先制点を奪って流れを引き寄せた。光ったのはやはり堅守。高い位置から規律あるプレッシングでバルサの攻撃を封じ、決定的なシーンを与えても守護神ジャンルイジ・ブッフォンが食い止める。結局3-0と圧勝した。
続く第2戦はパリSGの“二の舞”はゴメンとばかりに、またしても隙を見せない守備でスコアレスドローに持ち込んだ。メッシのシュートに対してジョルジョ・キエッリーニが体を張ったブロックで防ぐなど、タレントにゴール前で仕事をさせなかった。ブッフォンの安定感も光っていた。
準決勝ではモナコ(フランス)を2戦合計4-1で下した。決勝トーナメントでは、失点はわずかに「1」。欧州CLでの690分間無失点は、05-06年のアーセナルが記録した995分間に次ぐ2位の記録だという。
39歳のブッフォンにとって欧州CLは、まだ獲得していないタイトル。“ラストチャンス”に懸ける意気込みは相当だ。
レアルは21日、マラガに2-0で勝利してリーガ・エスパニョーラを5年ぶりに制した。ここでも先制点を挙げたのがC・ロナウドだった。
一方のユベントスも21日のクロトーネ戦に3-0で勝ち、セリエA史上初の6連覇を達成。イタリア杯に続いて2冠を達成した。ここでも無失点に封じたのがブッフォンだった。
2連覇か、21年ぶりか。
C・ロナウドか、ブッフォンか。
歴史に残る名勝負が、カーディフで待ち受けている。
【UEFAチャンピオンズリーグ 16/17 決勝 放送予定】
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