(写真:西条市で開催されたクライミングのリハーサル大会)

(写真:西条市で開催されたクライミングのリハーサル大会を兼ねたリード・ジャパンカップ)

 開催まで100日を切ったえひめ国体。県内各地でリハーサル大会が行われ、各競技団体の練習も一層熱がこもっている。このリハーサル大会や各競技団体の練習に頻繁に通っているのが愛媛県体育協会の大亀孝裕会長だ。今回はその激励訪問の模様をレポートしよう。

 

 ヒントはお遍路さんから

 大亀会長による激励訪問が始まったのは今から5年前、2012年のことだ。国体開催内定を受けて、選手や関係者の激励、競技環境や練習環境の実情把握などを目的として始まった。スタートにあたって大亀会長は「最低でも88カ所は足を運ぼう」と目標を設定した。この数字は四国88カ所の霊場を巡拝するお遍路さんに由来することは言うまでもない。開始から5年、激励訪問した場所はすでに80カ所を超えている。

 

 6月11日、スポーツクライミングのリード・ジャパンカップ愛媛大会が西条市の石鎚クライミングパークSAIJOで行われた。今回はここが訪問先となったが、西条市は大亀会長の出身地ということもありいつもよりも熱の入った激励訪問となった。ちなみにクライミングパークの設立に際して、大亀会長が個人として建設資金の一部を寄付している。

 

(写真:大会を視察する大亀会長<左から3人目>)

(写真:大会を視察する大亀会長<左から3人目>)

 大会は男子が本間大晴(埼玉)が優勝、女子は森秋彩(茨城)が連覇を果たした。愛媛県勢は清水裕登が5位、徳永潤一が6位と健闘。えひめ国体では清水と徳永がペアを組んで出場する予定で、地元国体での優勝に期待がかかる。

 

 現場の生の声を補強に活用

 この石鎚クライミングパークSAIJOは全国レベルの選手も頂上までたどり着けない難コース。大亀会長は「国体以後もここに大会を誘致してスポーツクライミングを西条市のスポーツとして根付かせていきたい」と語った。同施設では小学生を対象にしたクライミング体験なども実施されていて、競技の普及や底辺拡大にも役立っている。

 

 なお前日の10日には大亀会長は高知県本山町寺家カヌー競技場を訪問した。ここはカヌーのワイルドウォーター、スラロームの県外開催地だ。カヌー以外にもクレー射撃、馬術、水泳飛び込みが県外開催となる。

 

004◎IMG_5446 大会以外に大亀会長が激励訪問に熱心なのが各競技団体や高校の練習だ。「大会はどこか着飾った印象があるから、普段の練習を見てこそその競技の実情がわかる。本当の姿を見て、そして直接声を聞くことで競技の強化ポイントも見えてくる」と大亀会長は語っている。

 

 これまで激励訪問した団体、高校の中には移動用のバスが走行距離40万キロを超えていた所や、移動用の車両自体がない所があった。それらの要望は激励訪問の際に直接聞き取り、後日、バスや車両の寄付や購入補助を実施した例もある。

 

(写真:リハーサル大会の応援に駆けつけた"えひめママ")

(写真:リハーサル大会の応援に駆けつけた"えひめママ")

 激励訪問で得た情報によって的確な補強や補助が行われて、愛媛県の各競技団体は着実にレベルアップしている。9月から始まるえひめ国体では悲願の天皇杯獲得を期待したい。


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