イベント② 愛媛県にとって初の単独地元開催となる「愛顔(えがお)つなぐえひめ国体・えひめ大会」がいよいよ目前に迫ってきた。開会式は9月30日、会期前競技は9月9日から始まる。今回のダイキ倶楽部ではダイキボート部、弓道部の国体にかける意気込みをお伝えしよう。

 

 ボート、合宿で結束強化

 昨年、いわて国体において愛媛県は天皇杯(男女総合)7位、皇后杯(女子総合)5位という成績を残した。その牽引役となったのが総合優勝の弓道、総合2位のボートだ。愛媛県ボート協会の強化委員を務めるダイキボート部の武田大作は、「選手だけをやっていたときは感じませんでしたが、強化委員になって他競技の方と交流すると、"ボートは強いんだからお願いしますよ"と、県の牽引役としての期待をひしひしと感じています」と語る。もちろん今年のえひめ国体でもボートが天皇杯獲得の牽引役となることは間違いない。

 

ボート部武田選手とみきゃん

(写真:代表選手と強化委員、国体では二役をこなすボート部・武田。代表として参加のスカル競技ではもちろん優勝を狙う)

 武田はえひめ国体に向けたボート選手団の取り組みについてこう語った。
「まず成年に関しては本大会前の直前合宿、これを例年の3~4倍の密度で実施しようと思っています。選手個々の能力アップはもちろんですが、チーム全体の仕上がりと結束を高めたいという狙いがあります。
 今回は愛媛県開催ということで、県外で活動していた愛媛県出身者が戻ってきました。選手層が厚くなったことで県代表の選考も非常にレベルが高くなって嬉しい悲鳴というところです。成年女子はこちらの期待以上に伸びていて、さらに選手たちのモチベーションも高いので男子と並んでの活躍を期待しています」

 

 国体のターゲットエイジとして育成してきた、少年についても聞いた。
「少年選手については彼らが高校1年のころから、国体を見据えた強化を実施してきました。成年以上に選手のやる気の高さが感じられます。少年選手は男女ともに県外大会の経験を積ませようとして活動しています。国体本番で緊張しないためで、少しでも多くの大会に出て場慣れをしてほしいと思っています。少年選手はインターハイが終わってから本格的に代表としての活動に入りますが、ここで質の高い練習をしてコンビネーションなどを高めていきたいですね」

 

 弓道、いわてのリベンジへ
(写真:左からダイキ弓道部の玉木、山内、山下、佐々木)

(写真:左からダイキ弓道部の玉木、山内、山下、佐々木)

 弓道はいわて国体で遠的、近的ともに準優勝を果たした。地元での優勝に期待が高まるが、ダイキ弓道部から3人の選手が代表(補欠含む)に選考されている。それぞれの意気込みは以下の通りだ。

 

「いよいよえひめ国体を迎えると思うとドキドキします。えひめ国体開催に携わるすべての方々、会社のみなさん、家族や友人、そしてダイキ弓道部のメンバー。たくさんの方にサポートをしていただいて感謝の気持ちでいっぱいです。その感謝を込めて本番では日頃の練習の成果を十分に発揮して優勝を勝ち取りたいです」(山内絵里加)

 

「昨年のいわて国体では、遠近ともに準優勝という、嬉しくも悔しい結果でした。えひめ国体では弓道競技がトップバッターなので、優勝を勝ち取り、天皇杯・皇后杯獲得に向け勢いをつけたいです。個人の目標としては、的中も気も"抜かない(はずさない)"です。昨年のいわて国体では決勝戦で焦りが生じ平常心を保てなかったので、その反省を生かし緊張を力に変え、常に平常心を保ちます」(玉木里奈)

 

「えひめ国体まで2カ月を切りました。県民の方々の国体への関心も深まり、地域全体が盛り上がり、たくさんの方が応援をしてくれています。みなさんの応援を糧に日々の練習に励み、最後まで諦めず、さらに精進します」(山下花凜)

 

 青野常孝弓道部監督はいわて国体の戦いをこう振り返っていた。「予想以上の活躍を見せてくれました。ただし決勝では緊張しすぎだった。あれでは実力の半分も出せない」。今年は地元開催ということでプレッシャーもより大きくなるが、県外遠征を増やして試合の緊張感にも慣れ、さらに逞しくなったダイキ弓道部員たちの本番での活躍を期待したい。

 

 世界戦以上の重圧
(写真:8月20日の国体プレイベントでは弓道体験会なども行われる)

(写真:昨年の国体応援イベントでは弓道体験会なども行われた)

 えひめ国体に向けて、DCMダイキでは8月20日(日)に国体応援イベントを開催する。「みんなで応援! えひめ国体・えひめ大会&みんなで学ぶ! 身近な防災」と銘打たれたこのイベントは、えひめ国体の認知度アップのために2015年から実施されており、開催年の今回もDCMダイキ本社1階(ゆめ・みらい住まいの創造かん/松山市美沢)が会場となる。

 

 午前11時から15時までステージで各イベントを実施。開場は午前10時(16時まで)。松山市内の児童による選手激励の発表会、タレント生島ヒロシによるトークショー、競技選手の登場などが予定されている。入場無料。また9月1日の防災の日に向け、災害時に役立つロープワークや応急手当などの講座も同時に実施予定だ。

 

 国体前の県内の盛り上がりについて、ボート部の武田はこう語っている。
「開催が迫るにつれて県内での認知度がアップしているのを感じます。練習していても"武田さんでしょ? 勝ってよ"とよく声をかけられるんです。もう地元のみなさん全員が国体のことを知ってくれているんでしょうね。"あんた強いんやろ。勝つんやろ"とも言われるので、ある意味で世界戦やオリンピックよりもプレッシャーですよ。でもそれに応えたいというこちらの思いも世界戦以上です」

 

 愛媛県内はもちろん県外からも注目集まるえひめ国体・えひめ大会のスタートはまもなくである。


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