(写真:「柴崎岳はヘタフェでも良い結果を出してくれるのでは」と語るモリエンテス<中央>)

(写真:「柴崎岳はヘタフェでも良い結果を出してくれるのでは」と語るモリエンテス<中央>)

 スペインリーグ(ラリーガ)のアンバサダーを務める元スペイン代表FWのフェルナンド・モリエンテスが20日、戦略的提携協定を結ぶJリーグを表敬訪問した。モリエンテスは22日にカシマスタジアムで行われる明治安田生命Jリーグワールドチャレンジ2017第2戦の鹿島アントラーズ対セビージャの一戦をPRした。

 

 モリエンテスはプレーヤーとしての全盛期を世界的ビッグクラブのレアル・マドリードで過ごした。スペイン代表でも2トップを形成したFWラウール・ゴンサレスとコンビは破壊力抜群だった。186センチの長身から繰り出すヘディングが武器のストライカーはラリーガ通算124ゴールを記録した2010年に現役を引退(15年に単年だけ復帰)。スペインの点取り屋が今回、アンバサダーとして鹿島対セビージャのプロモーションに携わり、日本に訪れた。

 

 22日に行われる鹿島対セビージャの展望を、こう語った。

「セビージャにとっての問題は、まだプレシーズンということ。選手たちは100%のパフォーマンスを見せるのは難しいと思う。セビージャは新しい監督に変わったばかりでいろいろと試験的に試す機会になると思います。ですが、ラリーガ全体としては重要な試合と位置付けています」

 

 レアル時代にトヨタカップを2度制覇したモリエンテスは、久々の来日について「プレーヤーとして日本に来た時にはいい思い出が残っている」と語り、アンバサダーとしての抱負を述べた。

 

「今回はラリーガのアンバサダーとして日本に来られたことを光栄に思います。このパートナーシップにより、お互いの国にとって素晴らしい交流ができればと思っています。そして、この交流が長く続くことを願っています」

 

 Jリーグとラリーガの架け橋役を担うモリエンテス。「日本ではいろいろなイベントに参加できればと思います。パートナーシップを結んだ国々にアンバサダーとして出向き、ファンやメディアの方々と触れ合うことが重要」と意気込みを口にする。

 

 また、会見に同席したラリーガ通で知られるJリーグ副理事長の原博実からは「Jリーグでプレーしてくれないか?」とオファーを受けた。これに対し、モリエンテスは「Jリーグでのプレーは難しいですが、アンバサダーとして何度も日本を訪れたい」と苦笑交じりにかわす一幕もあった。

 

 モリエンテスの電撃復帰はならなかったものの、事務的な手続きだけでは終わらせない姿勢は見てとれた。OBを通じてもラリーガとの親交を深めれば、スペインと日本の絆はさらに強固なものになるだろう。

 

(文・写真/大木雄貴)