15日、フットサルの国際親善試合が東京・国立代々木競技場第一体育館で行われ、日本代表(世界ランク9位)がアルゼンチン代表(同6位)と対戦した。序盤は攻勢に出た日本だが、シュートの精度を欠いてゴールには至らない。逆に前半5分、ディエゴ・アポジョニオにゴールを奪われ、先制を許した。その後、2点を追加されて試合を折り返す。日本は後半に入っても決定機を決めることができず、アルゼンチンに速攻からさらに2点を献上した。後半18分、仁部屋和弘のゴールで一矢を報いたものの、昨年のW杯以来となる国際Aマッチは苦い結果になった。日本は18日、舞台を大分・別府に移してアルゼンチンとの2戦目に臨む。


 シュート数上回るも決定力欠く(国立代々木競技場第一体育館)
日本代表 1−5 アルゼンチン代表
【得点】
[日] 仁部屋和弘(38分)
[ア] ディエゴ・アポジョニオ(5分)、レアンドロ・クッソリーノ(17分)、ルーカス・ボロアレマニー(19分)、ルーカス・フランシーニ(30分)、コンスタンティノ・バポラキ(36分)
「この試合は3日間続けても勝てない」
 ミゲル・ロドリゴ監督は試合をスペインの表現を用いてこう評した。シュート数で相手より1本多い25本を放ちながら、奪ったのは1ゴール。守っては前線からのプレスが機能せず、組織にほころびが出たところをアルゼンチンに速攻で突かれた。試合には昨年のW杯(タイ)のメンバーである三浦知良(横浜FC)も駆けつけたが、戦友に白星を届けることはできなかった。

 日本は立ち上がりから積極的に仕掛けた。前半2分、右サイドでパスを受けた滝田学がPA内に侵入してからシュート。しかし、これはゴール左に逸れた。直後に森岡薫がPA手前から狙うもゴール右へ外れた。

 序盤のチャンスを生かせないでいると、5分、W杯ベスト8のアルゼンチンに先制点を奪われた。左サイドからのクロスがゴール前で混戦になったところを、アボジョニオに左足で押し込まれた。相手に許した最初のシュートでゴールを許した。

 反撃したい日本だが、ドリブルが簡単に止められたり、横パスをカットされてカウンターを仕掛けられるなど、いいかたちをつくることができない。すると17分、ゴール正面で与えたFKをレアンドロ・クッソリーノに決められてしまう。19分にはルーカス・ポロアレマニーにPA外から左足のミドルシュートを叩き込まれ、0−3と大きくリードされて試合を折り返した。

 ホームで負けるわけにはいかない日本。後半の立ち上がりも前半同様に攻勢をかけていく。しかし、ゴールが遠かった。2分、星翔太がPA手前から打ったシュートは、ゴール左ポストを直撃。9分には、代表デビューの室田祐希が右サイドからミドルシュートを狙ったものの、GKの好守に阻まれた。

 逆に10分、ルーカス・フランシーニにミドルシュートのこぼれ球を押し込まれ、リードをさらに広げられた。直後から日本はフィールドプレーヤーの小曽戸允哉をGKにしたパワープレーに出る。フィールドプレーヤーの数的優位を生かしてゴールに迫るが、引いてブロックを形成するアルゼンチン守備網を崩せない。
 そんな17分、左サイドからポロアレマニーにクロスを上げられると、ゴール前に飛び込んできたコンスタンティノ・パポラギに右足で合わされた。

 ダメを押された日本だが、後半18分に一矢を報いる。仁部屋が左サイドでパスを受けると、前方にいた相手2人の間を巧みなステップでかわしてPAに侵入。右足のシュートをゴール左上に突き刺した。ようやく奪った1点に3946人の観衆が沸いた。この勢いに乗って少しでも点差を詰めたいところだが、相手GKのファインセーブもあり、1−5のまま試合終了のブザーが鳴り響いた。

「アルゼンチンのゴールをサッカー用にしておいてもらえればよかった(苦笑)」
 ミゲル監督はこう決定力の低さを嘆いた。また、前線からのプレスが機能しなかったことも苦戦の要因に挙げた。後方でパスを回す相手に素早いプレスをかけ、ミスを誘うのが日本の真骨頂だ。だが、指揮官が「引いて守る相手守備陣をどう崩すかということばかりを考え、守りの意識が薄かった」と指摘したように、この日はプレスに行くタイミングが遅かった。逆に、中途半端にプレスに行ったことで空いたスペースをアルゼンチンに使われたかたちだ。

 ミゲル監督は「しっかりとした守備がないと何も始まらない」と語気を強めた。守りが安定すれば、攻撃にもリズムが生まれ、相手には焦りを生じさせられる。中2日で迎える第2戦までに、守備への意識をどれだけ高められるか。ホームで連敗することは許されない。