現地時間25日、欧州チャンピオンズリーグ(CL)決勝がロンドン・ウェンブリースタジアムで行われ、バイエルン・ミュンヘン(ドイツ)がボルシア・ドルトムント(ドイツ)を2−1で下して12季ぶり5度目の優勝を収めた。前半は互いにビッグチャンスを迎えたものの、無得点。後半に入っても拮抗した展開が続いたが15分、FWマリオ・マンジュキッチのゴールでバイエルンが先制する。その後はPK弾で追いつかれたものの、44分、MFアリエン・ロッベンが勝ち越し弾を決めた。バイエルンはモロッコでのFIFAクラブワールドカップに欧州王者として出場する。

 ロッベン、1G1Aの活躍
◇5月25日 、ロンドン・ウェンブリースタジアム
バイエルン・ミュンヘン 2−1 ボルシア・ドルトムント
【得点】
[バ] マリオ・マンジュキッチ(60分)、アリエン・ロッベン(89分)
[ド] イルカイ・ギュンドアン(67分)
 ロッベンの左足が試合を決めた。先制点をアシストし、終了間際には値千金の決勝弾。バイエルンに移籍して3度目のファイナルで自身初のビッグイヤーを獲得した。

 序盤はドルトムントの猛攻を受けた。前半14分、ロベルト・レヴァンドフスキに右足ミドルを打たれる。直後には、ブラスチコフスキに右サイドからのクロスを右足で合わせられた。しかし、いずれもGKマヌエル・ノイアーがファインセーブでゴールを割らせない。

 守勢を強いられたバイエルンだが、徐々にボールポゼッションを高め、ドルトムントゴールに迫る。30分、右サイドに張っていたロッベンがミュラーのスルーパスに抜け出し、GKと1対1に。だが、シュートはGKバイデンフェラーに防がれた。ロッベンは43分にもロングフィードに反応してビッグチャンスを迎えたが、バイデンフェラーの顔面ブロックに遭った。互いの守護神の活躍もあり、試合は0−0のまま後半へと突入した。

 バイエルンは後半に入るとサイドからチャンスを多くつくっていく。すると15分、そのサイド攻撃から待望の先制点を奪った。中央でボールを持ったロッベンが左サイドのフランク・リベリーに展開。PA内左サイドでリターンを受けると、飛び出してきたGKを引きつけてからゴール前に折り返す。これをマンジュキッチが左足でゴールに押し込んだ。バイエルンが5度目の欧州制覇に手をかけた。

 だが、バイエルンのリードは長く続かなかった。22分、DFダンテのPA内でMFマルコ・ロイスに対するディフェンスがファールと判定され、PKを献上。これをイルカイ・ギュンドガンにゴール右下へ決められた。

 振り出しに戻されたバイエルンは、怒涛の攻撃で相手ゴールをこじ開けにかかる。27分、トーマス・ミュラーが右サイド前方へのスルーパスに抜け出す。GKが飛び出してきたところでゴール前に折り返すが、ロッベンに渡る目前に必死に戻ったDFネヴェン・スボティッチにクリアされた。31分にDFダビド・アラバ、42分にはMFバスティアン・シュバインシュタイガーが強烈なミドルシュートを放つ。しかし、いずれもバイデンフェラーに弾き出された。なかなかゴールを割れない展開に、スタジアムには延長戦突入の空気が流れ始めた。

 ところが44分、バイエルンがついに勝ち越しゴールを奪った。決めたのはロッベンだ。自陣からのロングボールをリベリがPA手前でキープし、ヒールで後方に落とす。これに猛スピードで走り込み、絶妙なボールタッチでDF2人をかわして左足でゴールに流し込んだ。奇しくも、ドルトムントのゴール裏に陣取っていたのはバイエルンサポーター。ボールがネットを揺らすと同時に、赤く染まったスタンドが大きく波打った。

 3分のアディショナルタイムが経過し、長いホイッスルが鳴り響く。その瞬間、殊勲の背番号11はピッチにうずくまって歓喜した。過去2度のファイナルでは精彩を欠き、本来の輝きを放つことはできなかった。しかし、今回は目に見えるかたちで勝利に貢献。“3度目の正直”で世界屈指のクオリティーを改めて証明した。