日本カバヤ・オハヨーグループ代表の野津基弘です。「世界へ発進! 脱日本式ゴルフのすすめ」で始まった私の個人的なゴルフにまつわるつぶやきコラム。今回もよろしくお願いします。9月も半ばを過ぎてようやく暑さも和らぎました。スポーツの秋、存分にゴルフを楽しみたいものです。


 さて、前回に引き続いて4月にアメリカで見てきたマスターズのお話です。前回は開催コースのオーガスタの素晴らしさに触れました。プレーヤーと観客の絶妙な距離感や、プレーヤーに対するメッセージ性の強いコースなど、ゴルフ場経営者としてとても刺激を受けることばかりでした。同時にザ・ロイヤル ゴルフクラブのクオリティの高さも感じました。


 ザ・ロイヤルGCもゴルフ場設計家の長渡譽一さんのコース設計に於いて、コースに張り巡らされたプレーヤーへのメッセージの深さはオーガスタと比較して決して劣るものではありません。特Aクラスの芝でフェアウェイとグリーンを実現させることが出来れば、ザ・ロイヤルGCでもトーナメントなどドラマティックな戦いが実現できます。
 オーガスタというコースは"自身の能力を最大限に振り絞らなければ自分というゴルファーを嫌いになるか、オーガスタというコースを嫌いになってしまう"と、前回書きましたが、ザ・ロイヤルGCも同様です。国内のゴルファーにもどんどんとザ・ロイヤルGCに挑んで、そして何かを感じてほしいなと思っています。

 

 日本と世界の差

 さて、マスターズでは選手たちの練習を2時間ほど見学しました。ヘンリク・ステンソン、ローリー・マキロイなどのトッププレーヤーの練習は見ていて飽きることがありませんでした。

 

 ボール1つ打つのにも集中したパワーが感じられて、回転をコントロールした強く高い球をバンバン打っていました。練習場のマウンドのどこに落とせばどれくらい転がるのか。それがすべて分かっているような球筋ばかりだった印象です。まるでグリーン上で芝目を読んでパターを打つようにドライバーとアイアンを打っていました。衝撃的でしたね。

 

 日本人選手は池田勇太選手、谷原秀人選手の練習を見ました。海外のトッププレーヤーと比べて練習時間がすごく長かった印象です。ただ1つのボールに集中してこちらにパワーが伝わってくるスイングと球筋だったかといえば、うーん……と首を傾げざるを得ません。これから世界で活躍する日本人選手は、世界で勝てるスイングと球筋を身につけて欲しいと願ったものです。

 

 そのための舞台としてザ・ロイヤルGCが一助を担えればこれ以上の栄誉はありません。ザ・ロイヤルGCの真の価値を高めて、世界に広めていくためには国際大会の開催が必須でしょうね。世界基準を本当に知る人たちにプレーをしてもらって、その評価を聞いてともに成長していきたいと思っています。

 

 では、また次回、このコラムにてお目にかかりましょう。

 

<野津基弘(のづ・もとひろ)プロフィール>
日本カバヤ・オハヨーホールディングス株式会社代表。1971年、岡山県出身。97年、オハヨー乳業に入社。現在、カバヤ食品、オハヨー乳業、ザ・ロイヤル ゴルフクラブなど複数のゴルフ場を経営する東京レジャー開発などグループ企業の社長を務める。「牛乳屋の倅」にして無類のゴルフ好き。クラブを握ったのは幼少期、地面に置いたボールをひっぱたくのが大好きだった。好きなゴルファーはローリー・マキロイ、フィル・ミケルソン、ジャスティン・ローズ、ルーク・ドナルド。ゴルフにおける座右の銘は「飛距離と正確性は比例する」。ゴルフの他、映画鑑賞、読書、ウィスキーも嗜む。得意なクラブはサンドウェッジ。


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