キリンチャレンジカップ2017の初戦が6日、豊田スタジアムで行われ、日本代表(FIFAランキング40位)はニュージーランド代表(同113位)に2対1で勝利した。試合は後半5分にFW大迫勇也(ケルン)のPKで日本が先制した。だが、14分にFWクリス・ウッドに頭で押し込まれて同点に追いつかれた。このままドローに終わるかと思われたが、試合終了間際に途中出場のMF倉田秋(ガンバ大阪)のダイビングヘッドが決まり、日本が勝ち越した。

 

 倉田、代表初ゴール!(豊田スタジアム)

日本代表 2-1 ニュージーランド代表

【得点】

[日] 大迫勇也(50分)、倉田秋(87分)

[ニ] クリス・ウッド(59分)

 

 ロシアW杯まで8カ月。本大会出場決定後、初のテストマッチで指揮官のヴァイッド・ハリルホジッチはいつものアンカーを置く4-1-4-1ではなく、MF香川真司(ドルトムント)をトップ下に置く4-2-3-1を選択した。センターバックはDF吉田麻也(サウサンプトン)とDF槙野智章(浦和レッズ)がコンビを組んだ。

 

 前半は日本が再三チャンスを作るものの、ゴールネットは揺らせなかった。特に8分は決めなければいけないシーン。ハーフウェーライン付近から2つのヘディングでボールを繋ぎ、ゴール前へ。左サイドハーフで1年ぶりにスタメン出場したFW武藤嘉紀(マインツ)が潰れて、ボールは香川の足元へ。トラップした香川は右足でゴール右を狙うもボールは無情にもポストに阻まれた。

 

 43分にはDF長友佑都(インテル・ミラノ)が左サイドからクロスをゴール前の大迫へ。大迫がヘッドで合わせるがシュートはクロスバーのわずか上に外れた。日本は前半だけで9本のシュートを放ったもののスコアレスで試合を折り返した。

 

 後半5分、日本が先制する。MF山口蛍(セレッソ大阪)がペナルティーエリア右サイドから左足で強烈なシュートを放つ。これをDFアンドリュー・デュランテが手でブロックし、日本はPKを獲得。これを大迫が落ち着いてGKの逆を突き、右隅に決めた。

 

 しかし、先制後は徐々にニュージーランドに押し込まれる。14分、日本の右サイドを崩されFWマルコ・ロハスにクロスを上げられた。このボールを身長191センチのウッドにヘッドで叩き込まれ日本は失点を喫した。

 

 流れを引き寄せたい日本。ハリルホジッチは15分にMF小林祐希(ヘーレンフェーン)とFW杉本健勇(セレッソ大阪)を投入する。システムを慣れ親しんだ4-1-4-1に変更。25分にFW乾貴士(エイバル)、37分には倉田をピッチへ送り出した。

 

 流れを変えるべく小林は左右にボールを散らし、杉本はボールのないところで相手DFと駆け引きを繰り返した。乾は持ち前のテクニックとアジリティを活かしたドリブルを仕掛け、倉田は持ち前の運動量で縦横無尽にピッチを駆け回った。

 

 それでもなかなかゴールネットを揺らせない。このまま引き分けで終わるかに思われたが、42分だった。左サイドをドリブルで突破した乾は左足でクロスを供給。ファーサイドにポジションを取ったDF酒井宏樹(マルセイユ)が頭で折り返した。このボールに倉田が体を投げ出し頭でゴールにねじ込んだ。待望の倉田の代表初ゴールで日本は勝ち越しに成功。このまま逃げ切り、日本は2対1で勝利した。

 

 倉田は「(酒井)宏樹が折り返してくれたので、あとは体で押し込むだけでした。決勝点で勝利に貢献できてよかった」と語った。勝利したものの、格下のニュージーランド相手にペースを握られる時間帯が長かった。指揮官のハリルホジッチも「(先制後)ゲームコントロールがうまくいかなかった」と反省を口にした。

 

 本番までの期間に親善試合で新たな戦力を試すべきだ。DF車屋紳太郎(川崎フロンターレ)、DF植田直通(鹿島アントラーズ)、GK中村航輔(柏レイソル)らA代表の試合を経験していないメンバーがいる。選手層に厚みを持たせるためにも、10日のハイチ代表(FIFAランキング48位)との試合を有意義に使いたい。

 

(文/大木雄貴)