現地時間7日、世界体操競技選手権種目別決勝1日目がカナダ・モントリオールで行われた。床運動(ゆか)で日本体育大3年の白井健三が優勝。2大会連続3度目の金メダルを獲得した。2位にイスラエルのアーテム・ドルゴピアト、3位にはアメリカのユル・モルダウアーが入った。

 

「個人総合決勝が終わってからスペシャリストとしての気持ちを取り戻すのに時間がかかった。ゆかだったので、考えないでもできる自信があった。今回は身体に任せて楽しもうと思いました」

 個人総合でハイスコアを叩き出したゆかは白井の得意種目だ。リオデジャネイロ五輪では4位だったが、世界体操では3大会連続で表彰台に上がっている。

 

 予選を断トツのトップで通過した白井は当然優勝候補だ。決勝の舞台でもその実力を遺憾なく発揮した。自らの名を冠する技を次々に決める。H難度の「シライ3」(後方伸身2回宙返り3回ひねり)」でスタートする高難度の演技構成。歓声に後押しされながら白井は次々と着地をまとめていく。フィニッシュはF難度の「シライ/ニュエン」(後方伸身宙返り4回ひねり)」だ。

 

 最後も着地を決めると、ガッツポーズをつくった。15.633点ーー。「個人総合に懸けてきた」という白井だが、2位以下に1点以上の差をつける圧勝だ。2013年大会で金メダルを取って以来、4大会連続の表彰台。この種目3個目の金メダルを手にした。“ひねり王子”が巻き起こす今大会の旋風は跳馬で完結する。

 

(文/杉浦泰介)