16日、プロ野球パ・リーグのクライマックスシリーズ(CS)・ファーストステージ第3戦がメットライフドームで行われ、東北楽天が埼玉西武に5対2で勝利した。楽天は初回に先制すると、4回にも追加点をあげ、優位に試合を進める。西武は5回に1点を返し、反撃するが決定打に欠き、なかなか追いつくことができない。楽天は8回に3点を奪い、試合の大勢を決した。西武は9回に浅村栄斗がソロ本塁打を放つものの、自慢の打線が最後まで本領を発揮することができず、力尽きた。

 対戦成績を2勝1敗とした楽天が、リーグ優勝を果たした福岡ソフトバンクが待ち受けるファイナルステージへと駒を進めた。CSファイナルステージは18日から、福岡ソフトバンクの本拠地ヤフオクドームで開幕する。

 

◇第3戦

 8番枡田、1本塁打含む3安打2打点(楽天2勝1敗/メットライフドーム)

東北楽天  5 = 100|100|030

埼玉西武  2 = 000|010|001

勝利投手 宋家豪(1勝0敗)

敗戦投手 野上(0勝1敗)

本塁打 (楽)ウィーラー1号ソロ、枡田1号2ラン

    (西)浅村2号ソロ

 

 CSファーストステージ第3戦、ファイナルシリーズ進出をかけた一戦の先発は楽天が今季11勝(8敗)の美馬学。西武が同じく11勝(10敗)の野上亮磨でスタートした。

 

 これまでの2戦と同じく、初回から試合は動いた。楽天は先頭の茂木栄五郎が四球で歩くと、2番の藤田一也が送りバントで1死二塁の形をつくる。その後、四球などで2死満塁となったところで6番のゼラス・ウィーラーがショートへのタイムリー内野安打を放ち、楽天がリズムよく1点を先制した。

 

 西武もその裏、先頭の秋山翔吾が美馬の2球目をとらえ、右中間へスリーベースヒット。しかし源田壮亮、森友哉、山川穂高と後続が倒れ、無得点に終わった。

 

 初回の明暗が、その後の試合展開に表れた。4回表、1死二塁から野上が暴投した間に二塁走者のウィーラーが一気にホームイン。捕手の炭谷銀仁朗が処理に手間取っている隙を逃さない好走塁だった。楽天は初回に続きウィーラーの活躍で2対0とリードを広げた。

 

 西武先発の野上は結局3回と3分の2を投げ4安打2失点。初回に3四球を与えるなど序盤から制球が乱れ、大事な試合で先発の責任を果たすことができなかった。

 

「総動員で戦いたい」。前日に梨田昌孝監督が語った通り、楽天は5回まで好投していた美馬が1点を返されると、2死から高梨雄平にスイッチした。ランナー三塁の場面で登板したサウスポーは、迎えた秋山を三振に切って取り、ベンチの期待に応えた。

 

 その後は両軍ともにリリーフ陣が踏ん張り、緊迫した展開が続いた。しかし8回表、楽天はウィーラーが西武の5番手ブライアン・シュリッターから特大の一発を放つと、8番の桝田慎太郎にも2ランが飛び出し一挙に3点を追加した。スコアは5対1。本塁打攻勢で試合を決定づけた。

 

 4点を追う西武は9回裏に楽天の守護神・松井裕樹から浅村栄斗が意地の一発を放つ。1点を返すものの反撃はここまで。レギュラーシーズン3位の楽天が同2位の西武を5対2で下した。

 

 敗れた西武・辻発彦監督は「8回の本塁打が痛かった」と振り返った。

 

 一方ファーストステージを突破した楽天・梨田監督は「みんな一生懸命やってくれた。今日の気持ちを忘れずにしかりとやっていこうと。(ファイナルステージで対戦するソフトバンクとの)対戦成績はほぼ五分なので、しっかりとやっていきます」と、ファイナルステージ突破にも手応えを感じていた。

 

 楽天はふたたび“下剋上”を果たすため、パ・リーグ王者の待つ福岡に乗り込む。4年ぶりの日本シリーズ進出をかけたファイナルステージは2日後だ。

 

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