19日、プロ野球パ・リーグのクライマックスシリーズ(CS)・ファイナルステージ第2戦がヤフオクドームで行われた。楽天は初回、銀次のライト前ヒットと相手のエラーで1点を先制するが、4回にソフトバンクが4番・内川聖一の2試合連続ホームランで同点に追いつく。7回表に楽天は嶋基宏のタイムリーツーベースで1点を勝ち越すと、得意の継投でソフトバンクの攻撃を断ち切り、そのまま逃げ切った。

 

◇ファイナルステージ第2戦

 宋家豪、打者3人を2奪三振の好救援(楽天2勝1敗/ヤフオクドーム)

東北楽天      2 =100|000|100

福岡ソフトバンク  1 =000|100|000

勝利投手 宋家豪(1勝0敗)

敗戦投手 千賀(0勝1敗)

セーブ  松井裕(0勝0敗2セーブ)

本塁打 (ソ)内川2号ソロ

 

 楽天の先勝で幕を開けたパ・リーグCSファイナルステージ。第2戦、楽天は8勝(8敗)の辛島航が先発。一方のソフトバンクは今季13勝(4敗)、勝率.765で自身初のタイトルとなるリーグ最高勝率に輝いた千賀滉大がマウンドを任された。

 

 初戦同様、試合は初回から動いた。楽天は2番に入った藤田一也が四球で出塁すると、3番の銀次がライト前にヒットを放つ。これをソフトバンクのライト・川島慶三が後逸。その間に一塁走者の藤田が一気にホームを駆け抜けた。楽天がファーストステージから3連勝中の勢いそのままに先制した。

 

 千賀はやや不運なかたちで先制点を奪われたが、次第に持ち味の直球とフォークが冴え始め、楽天打線に追加点を許さない。すると4回裏、ソフトバンク打線が千賀を援護する。キャプテンの内川の2戦連発となるホームランが飛び出し、1対1の同点に追いついた。内川は辛島の高めに浮いたストレートを完璧にとらえ、レフトスタンドに叩き込んだ。

 

 辛島は内川に一発を浴びたものの、持ち前のチェンジアップが効果的に決まり、3回までに5三振を奪う好投。6回に1死二塁のピンチを招いた場面で降板したが、4安打1失点と期待に応える内容だった。

 

 6回途中から辛島の後を受けたのは宋家豪。前の打席で本塁打を放った内川を迎えたが、自慢の剛速球で三振に切って取る。その後、四球を出すも、松田宣浩をアウトコースのストレートで見逃しの三振に仕留め、ピンチを脱した。

 

 ピンチの後にチャンスあり。続く7回表、楽天は力投を続けていた千賀を攻める。ヒットと送りバントで1死二塁のチャンスを作ると、ラストバッターの嶋が左中間に値千金のタイムリーツーベースを放ち、ついに2対1と勝ち越しに成功した。

 

 千賀は結局7回途中まで投げ、7奪三振2失点(自責点1)。徐々に本来の投球を取り戻し、タイトルホルダーの貫録を見せたが、楽天の勢いに最後は飲まれたかたちとなった。

 

 リードした楽天は、得意の継投に入った。高梨雄平、福山博之とつなぎ、9回は守護神・松井裕樹が締めくくる展開。盤石のリレーで2対1と逃げ切った。

 

 ソフトバンクは再三ランナーを出すものの、あと1本が出なかった。この日の得点も昨日と同じくホームランのみ。当たりの出ている内川を中心に、打線のつながりを取り戻せるかが巻き返しの鍵となる。

 

 第3戦の予告先発は、ソフトバンクが和田毅、楽天が則本昂大。レギュラーシーズンの9月3日には同じヤフオクドームで投げ合い、ソフトバンクが1対0でサヨナラ勝ちを収めている。好投しながら負け投手となった則本には絶好のリベンジの機会だ。