20日、プロ野球パ・リーグのクライマックスシリーズ(CS)・ファイナルステージ第3戦がヤフオクドームで行われた。

 楽天は初回、島内宏明のタイムリーで1点を先制するが、ソフトバンクがその裏にアルフレド・デスパイネのタイムリーで同点に追いつく。さらに松田宣浩のタイムリーツーベースで勝ち越しに成功した。楽天は2回表に2点を奪い、再び1点のリードを奪うものの、ソフトバンクが3回裏に内川聖一の3ランで5対3と一挙逆転。5回表に楽天が2点を取って5対5の同点としたが、8回裏にソフトバンクの中村晃が2ランを放った。ソフトバンクが7対5で乱打戦を制した。

 

◇ファイナルステージ第3戦

 内川3戦連発、流れ呼びこむ3ラン(2勝2敗/ヤフオクドーム)

東北楽天      5 =120|020|000

福岡ソフトバンク  7 =203|000|02X

勝利投手 岩嵜(1勝0敗)

敗戦投手 福山(0勝1敗)

セーブ  サファテ(0勝0敗1セーブ)

本塁打 (楽)アマダ―2号2ラン

    (ソ)内川3号3ラン、中村晃1号2ラン

 

 楽天の2連勝となったパ・リーグCSファイナルステージ第3戦。巻き返しを図りたいソフトバンクの先発は今季4勝(0敗)の和田毅。一方、楽天の先発はファーストステージ第1戦で4回7失点KOと振るわなかったエース・則本昂大でスタートした。

 

 1、2戦に続き、この日も初回に得点が入った。楽天は2死から3番・銀次と4番・ゼラス・ウィーラーの連打で一、二塁のチャンスを作ると、5番の島内がセンターへタイムリー。クリーンアップの3連打で1点を先制した。これで楽天はファーストステージの第2戦から5試合連続で初回に得点をあげた。

 

 しかし、王者・ソフトバンクも黙っていない。その裏、先頭の今宮健太がヒットで出塁すると、2番に入った城所龍磨がしっかりバントを決める。1死二塁から3番のデスパイネがライトへタイムリーを放ち、すかさず同点に追いつく。さらに6番の松田にもタイムリーツーベースが飛び出し、2対1と勝ち越しに成功した。

 

 ここで踏ん張りたい和田だったが、好調の楽天打線を封じることができない。2回表、2死二塁から1番の茂木栄五郎にライトへタイムリーヒットを許して同点にされる。続く藤田一也にはライトへタイムリーツーベースを打たれ、2対3と再び楽天にリードを許してしまう。

 

 このまま連勝中の楽天に流れが傾くかと思われたが、則本もピリッとしない。3回裏、無死一、二塁から内川に変化球を完璧にとらえられ、3試合連発となる逆転3ランをレフトスタンドに叩き込まれた。ソフトバンクが4番の一振りで5対3とまたもや試合をひっくり返した。

 

 5回表、ジャフェット・アマダーが和田から左中間に同点2ランを放つ。楽天も長打でお返し。5対5と追いついた。和田は結局5回5失点でマウンドを降りた。ソフトバンクの工藤公康監督は、小刻みな継投で楽天打線にこれ以上の追加点を許さなかった。

 

 楽天の則本も3回までに5失点とファーストステージに引き続いての不調。しかし4回以降は徐々に立ち直った。最終的に7回を投げ、11奪三振を記録するなどエースの意地を見せた。

 

 8回裏、楽天は則本の後のマウンドを福山博之に託す。同点の場面で得意の継投リレーに入った。だが、2死一塁から7番の中村晃がインコースの甘く入ったストレートを振り抜くと、打球はライトスタンドへ一直線。ソフトバンクが勝負どころの一発で7対5と勝ち越しに成功した。

 

 9回は守護神デニス・サファテが三者凡退で締めた。ソフトバンクは今CS初勝利。アドバンテージの1勝を含め、通算成績を2勝2敗のタイに戻した。一方の楽天はCSでの連勝が4で止まった。

 

 第4戦は明日21日、ヤフオクドームで13時プレーボール。先発投手はソフトバンクがリック・バンデンハーク、楽天が岸孝之と発表されている。