1日、プロ野球日本シリーズの第4戦が横浜スタジアムで行われた。

 試合は序盤から拮抗した展開となったが、5回裏にDeNAが宮﨑敏郎のソロホームランで1点を先制。さらにこの回、倉本寿彦の犠牲フライで2点目を加え、これでDeNAが試合の流れを掴んだ。さらに7回には高城俊人がソロホームランを放つと、8回にも3点を追加して試合を決めた。投げては先発の濵口遥大から3投手の継投でソフトバンクを零封し、投打で圧倒した。DeNAが1勝を返し、通算成績はソフトバンクの3勝1敗となった。

 

 

◇第4戦

高城、1本塁打含む3安打3打点(福岡ソフトバンク3勝1敗/横浜スタジアム)

福岡ソフトバンク  0 =000|000|000

横浜DeNA     6 =000|020|13×

 

勝利投手 濵口(1勝0敗)

敗戦投手 和田(0勝1敗)

本塁打 (De)宮崎2号ソロ、高城1号ソロ

 

 

 ソフトバンク3連勝で迎えた日本シリーズ第4戦、ソフトバンクが06年以来の横浜スタジアム登板となる和田毅。一方、DeNAはルーキーながら今季10勝(6敗)をあげた濵口がマウンドに上がった。

 

 両左腕の投げ合いで、序盤は投手戦の様相を呈した。先に失点を許したのはソフトバンクの和田。4回まで被安打2と好投していたが、5回裏に先頭の宮﨑に甘く入った高めのストレートをレフトスタンドまで運ばれてしまう。続く梶谷隆幸、高城に連続ヒットを浴び、濵口のバントで1死二、三塁のチャンスを作られる。ここでラストバッターの倉本寿彦がライトへ犠牲フライを放ち、DeNAが1点を追加し、2対0とした。

 

 結局和田は5回5安打2失点で降板。三振も5つ奪うなど好投し、先発の責任は果たしたものの、先制を許す展開に「調子はよかったです。初回から飛ばしていきました。あの本塁打は悔やまれます」とコメントした。

 

 一方、DeNAの濵口はベテランの和田を上回る巧みな投球を披露した。試合序盤は威力のあるストレートで押していき、中盤以降は次第に変化球を効果的に織り交ぜた。特にストレートと落差のあるフォークとのコンビネーションが冴え、ソフトバンク打線はなかなか狙い球を絞ることができなかった。濵口は終わってみれば8回1死までノーヒットに抑える快投。堂々たるピッチングでDeNAに流れをもたらした。

 8回、濵口は高谷裕亮の代打で出場した鶴岡慎也に変化球をとらえられ、初ヒットとなるツーベースを許し、その後2死一、三塁のピンチを招いたところで2番手のスペンサー・パットンにマウンドを譲った。パットンは続く今宮健太を三振に切ってとり、無失点に抑えた。

 

 DeNAは7回に高城のソロホームランで3点リードし、濵口がマウンドを降りた8回裏の攻撃でもダメ押しとなる3点を追加し。6対0と試合を決めた。

 

 9回表には大量リードながら、今シリーズまだ出番のなかった守護神・山崎康晃が登板。三者凡退で試合を締めた。DeNAが6対0と圧勝し、ホームの大観衆の前で一矢報いた。

 

 敗れたソフトバンクは昨日までの強さが一転、ルーキーの前に打線が沈黙した。

 

 一方完勝したDeNAは、ここまで13打席ノーヒットだったリードオフマンの桑原将志が2安打と復調の兆しを見せた。このまま一気にムードメーカーとしての役割を担えるか。桑原が1勝3敗とまだ崖っぷちのチームを救う存在となれるかどうか。注目の第5戦は明日も横浜スタジアムで行われる。

 

(文/交告承已)