20日、プロ野球シーズンを締めくくる表彰式典「NPB AWARDS 2017」が開催された。会場ではすでに発表されていたベストナイン、各タイトルホルダー、特別賞受賞者へトロフィー授与の他、最優秀選手と最優秀新人の発表が行われた。
 最優秀選手はセ・リーグが丸佳浩(広島)、パ・リーグがデニス・サファテ(福岡ソフトバンク)。最優秀新人はセ・リーグが京田陽太(中日)、パ・リーグが源田壮亮(埼玉西武)が選ばれた。

 

 セ・リーグMVPの丸は今季、142試合で3番バッターとして出場し、リーグ最多の171安打、109得点を記録。広島の連覇に大きく貢献した。

 

 受賞インタビューで「今季は個人としてもチームとしてもつなぐ打撃を意識していた。その結果、昨シーズン以上にレベルアップできたシーズンだった。ただ、クライマックスシリーズで横浜DeNAに敗れて非常に悔しい思いをしたので、来季はリーグ優勝をして3連覇、そしてクライマックスシリーズを勝ち、日本一になりたい。それですべての人たちに恩返しがしたい」と語った。

 

 今季、日本最多の54セーブをあげたサファテは、アワード出席のために再来日。「日本シリーズの疲れが残っているよ(笑)」と周囲を笑わせ、「素晴らしい式典に出られて、そして素晴らしいプレーヤーたちと同じ場所にいることを誇りに思う」と語った。

 

 外国人選手初となる正力松太郎賞の表彰も受け、「外国人選手として初めての栄誉で大変うれしい。監督、コーチ、チームメイトすべての人に支えられての栄誉だと思う」と謙虚に述べた後、MVP受賞について聞かれたサファテは、まず神様に感謝した。

 

「神様の存在なしに僕はここにはいない。そして奥さん、子供たちにも感謝している。家族の支えが大きな力になってくれた。本当は奥さんがMVPなんじゃないかな。その他、チームメイトにも感謝しているし、福岡ソフトバンクを応援してくれた人、すべてのプロ野球ファンに感謝したい」と語り、最後は「ありがとうございました」と日本語で締めくくった。

 

 最優秀新人には京田、源田が選ばれたが、両リーグ新人王をショートが同時受賞するのは史上初めてのこと。アジアプロ野球チャンピオンシップで二遊間を組んだ京田と源田は、ともに「ドラフト前から社会人に"すごいショート"がいると聞いていて、そんな人と組めて刺激になった」(京田)、「大学野球に京田という"スーパーショート"がいると聞いていた。年下ですが友人のような感じで、コンビネーションも問題なかった」(源田)と会場をなごませていた。

 

 源田は「一生で一度しかチャンスのない賞をとれてとてもうれしい。来季は今年以上の活躍ができるように頑張りたい」と語り、京田も「自分自身は今季以上の成績を残してさらにレベルアップすること。チームとしてはクライマックスを勝って、日本シリーズで源田さんのチームと戦いたい」と来季の目標を語った。さらに京田は「プロに入ってレベルの高い人たちばかりで驚いている。そういう人たちに追いつき、そして追い越すように頑張って、東京オリンピックでは代表に選ばれたい」と、3年後の侍ジャパントップチーム入りを宣言した。

 

 各タイトル受賞者は以下のとおり。

 

◆最優秀選手
◎セ・リーグ
丸 佳浩(広島)
143試合 打率.308 171安打 23本塁打 92打点

◎パ・リーグ
デニス・サファテ(福岡ソフトバンク)
66試合 2勝2敗54セーブ3ホールド 102奪三振 防御率1.09 

◆最優秀新人
◎セ・リーグ
京田陽太(中日)
141試合 打率.264 4本塁打 36打点 23盗塁

◎パ・リーグ
源田壮亮(埼玉西武)
143試合 打率.270 3本塁打 57打点 37盗塁

 

◆公式記録表彰
◎セ・リーグ
最優秀防御率
菅野智之(巨人) 1.59 2年連続3回目

 

最多勝利
菅野智之(巨人) 17勝 初

 

最高勝率
薮田和樹(広島) .833 初

 

最多セーブ
ラファエル・ドリス(阪神) 37S 初

 

最優秀中継ぎ
桑原謙太朗(阪神) 43HP 初
マルコス・マテオ(阪神) 43HP 初

 

最多奪三振
マイルズ・マイコラス(巨人) 187個 初

首位打者
宮﨑敏郎(横浜DeNA) .323 初

 

最多本塁打
アレックス・ゲレーロ(中日) 35本 初

 

最多打点
ホセ・ロペス(横浜DeNA)105打点 初

 

最多安打
丸 佳浩(広島) 171安打 初
ホセ・ロペス(横浜DeNA)171安打 初

 

最高出塁率
田中広輔(広島) .398 初

 

最多盗塁
田中広輔(広島) 35個 初

 

◎パ・リーグ
最優秀防御率
菊池雄星(埼玉西武) 1.97 初

 

最多勝利
東浜 巨(福岡ソフトバンク) 16勝 初

 

最高勝率
千賀滉大(福岡ソフトバンク) .765 初

 

最多セーブ
デニス・サファテ(福岡ソフトバンク) 54S 3年連続3回目

 

最優秀中継ぎ
岩嵜 翔(福岡ソフトバンク) 46HP 初

 

最多奪三振
則本昂大(東北楽天) 222個 4年連続4回目

 

首位打者
秋山翔吾(埼玉西武) .322 初

 

最多本塁打
アルフレド・デスパイネ(福岡ソフトバンク) 35本 初

 

最多打点
アルフレド・デスパイネ(福岡ソフトバンク) 103打点 初

 

最多安打
秋山翔吾(埼玉西武) 185本 2年連続2回目

 

最高出塁率
柳田悠岐(福岡ソフトバンク) .426 3年連続3回目

 

最多盗塁
西川遥輝(北海道日本ハム)39個 3年ぶり2回目

 

◆ベストナイン
◎セ・リーグ
投 手 菅野智之(巨人) 3年ぶり2回目
捕 手 曾澤 翼(広島) 初
一塁手 ホセ・ロペス(横浜DeNA) 初
二塁手 菊池涼介(広島) 初
三塁手 宮﨑敏郎(横浜DeNA) 初
遊撃手 田中広輔(広島) 初
外野手 丸 佳浩(広島) 2年連続3回目
    鈴木誠也(広島) 2年連続2回目
    筒香嘉智(横浜DeNA) 3年連続3回目

◎パ・リーグ
投 手 菊池雄星(埼玉西武) 初
捕 手 甲斐拓也(福岡ソフトバンク) 初
一塁手 銀次(東北楽天) 初
二塁手 浅村栄斗(埼玉西武) 2年連続2回目
三塁手 ゼラス・ウィーラー(東北楽天) 初
遊撃手 今宮健太(福岡ソフトバンク) 3年ぶり2回目
外野手 柳田悠岐(福岡ソフトバンク) 2年ぶり3回目
    秋山翔吾(埼玉西武) 2年ぶり2回目
    西川遥輝(北海道日本ハム) 2年連続2回目
指名打者 アルフレド・デスパイネ(福岡ソフトバンク) 初