16日、東京ドームでアジアプロ野球チャンピオンシップ2017が開幕。予選第1戦の日本-韓国が行われ、日本が8対7でサヨナラ勝利した。この夏から野球日本代表(侍ジャパン)の指揮官に就任した稲葉篤紀監督は、2020年東京オリンピックに向けて幸先のいいスタートとなった。

 

◇予選
 田村、左中間真っ二つのサヨナラツーベース!(日本1勝 東京ドーム)
韓国 7 = 000|400|000|3
日本 8 = 001|002|001|4x(延長10回)

 

勝利投手 堀(1勝0敗)
敗戦投手 李(0勝1敗)
本塁打 (韓)金1号ソロ
    (日)山川1号2ラン、上林1号3ラン

 

 今年が初開催のアジアプロ野球チャンピオンシップは日本、韓国、台湾が主催する3カ国プロ野球代表対抗戦。総当りで予選を戦い、1位と2位が決勝を行う。優勝賞金は2000万円で、将来的にはアジア各国の参加を見込んでいる。参加選手は24歳以下もしくは入団3年目以内で、オーバーエイジ枠が各チーム3名まで認められている。

 

 稲葉監督の代表初采配となるこのゲーム、日本の先発はチーム最多の15勝をあげた広島の薮田和樹。韓国はパワー型右腕の張現植がマウンドに上がった。

 

 先制したのは日本。3回裏、2死から源田壮亮(埼玉西武)がフォアボールを選んで出塁すると、続く近藤健介(北海道日本ハム)は叩きつけるような打球を一、二塁間へ転がした。この当たりで源田が三塁を狙い、封殺を焦ったセカンドの朴珉宇がサードへ悪送球。ボールがファウルグランドに転がる間に源田がホームイン。1点を先制した。

 

 だが続く4回表。先頭バッターの4番・金ハソンがレフトスタンドへ同点ホームラン。5番、6番と連続安打で無死一、三塁とすると、7番・河周錫の犠牲フライで韓国が1対2と逆転した。ここで日本は薮田から近藤大亮(オリックス)にスイッチするも、2死の後、フォアボールを与えて満塁。2番・李政厚がレフトへツーベースを放って2者が生還。韓国が1対4と日本を引き離した。

 

 3点を追う日本は6回、4番の山川穂高(埼玉西武)が右中間に2ランを叩き込み1点差に迫ると、7回表、4番手の石崎剛(阪神)が韓国の攻撃を三者凡退に抑え、流れを徐々に引き戻していった。

 

 9回表、日本のマウンドには横浜DeNAの守護神・山崎康晃が上がり、韓国の2番、3番、4番と主軸を三人で打ち取った。迎えた9回裏、1死の後、西川龍馬(広島)、田村龍弘(千葉ロッテ)が連続フォアボールで一、二塁。ここで桑原将志(横浜DeNA)がライト前に弾き返して1死満塁とし、京田陽太(中日)が押し出しのフォアボールを選び同点。試合は延長戦に入った。

 

 今大会は規定により10回からタイブレークが採用されており、韓国が無死一、二塁から攻撃をスタートした。7番手の又吉克樹(中日)は4番・金をライトフライに打ち取ったものの、続く柳志赫にセンターオーバーのツーベースを打たれて4対5。さらに河にもライト線に運ばれて2失点。4対7とリードを広げられた。

 

 10回裏、日本の攻撃は4番・山川から。山川はレフトフライに倒れて1死一、二塁。敗色濃厚でドームをため息が包み込んだが、これを大歓声に変えたのが、続いて打席に入った上林誠知(福岡ソフトバンク)だった。上林は、3ボール1ストライクから咸徳柱のストレートをジャストミート。センターバックスクリーン脇に叩き込み7対7。再び試合をふり出しに戻した。

 

 こうなると勢いは日本にあり、2死の後、西川がライト前ヒットで出塁。西川は続く田村の打席で二盗に成功し、田村の左中間を破るツーベースで一気にホームイン。日本が宿敵を相手にサヨナラ勝ちを果たした。

 

 1勝をあげた日本は18日、今度は台湾と対戦する。