愛媛FCは、11月19日(日)にJ2リーグの今季最終節を戦い終え、2017シーズンの(公式戦)全日程が終了となった。

 

 今年は14勝19敗9引き分けの勝ち点51でリーグ戦(22チーム中)15位という戦績。10位で終えた昨年からは、順位を落とす結果となった。

 

 リーグ戦の前期では連勝もマークし、上位チームとも接戦を演じたが、終盤は敗戦も重なり、目標とするプレーオフ圏内に絡むことも叶わなかった。若干、消化不良な感覚を抱きつつ過ごすことになってしまった。

 

 終盤の失速に関しては『選手としても近場の目標を見失い、モチベーションを高く保つことが難しかったのでは』と推測することはできるのだが……。

 

 2017シーズンにおける総得点は54得点と昨年(41得点)よりも増加している。得点力不足を嘆いていた2016シーズンから見れば、評価できる数値である。

 

 しかしながら、総失点は逆40失点から増えて68失点。J2リーグのワースト3位となってしまった。

 

 つまり、チーム全体の守備力の改善が必要という明確な課題が見えた今季とも言えるだろう。

 

 また、クラブとしての課題であるホームゲーム時の平均入場者数は、目標値の5000人には届かず、「平均3866人」という結果に終わった。

 

 台風のため延期なった試合もあったが、概ね天候の崩れも少なく、客足を遠ざけるような要因は、なかったように感じる。広報活動のボランティアに参加している私としても、『集客への努力とアイデアが足らなかったのでは』と反省しているところだ。

 今季関わった広報活動を簡単に振り返ると、開幕戦の前から(ホームゲーム開催を告知するため)街頭でのチラシ配りやポスター掲出など、「愛媛FC知らせ隊っ!」の皆さんやサポーター仲間と共に、告知活動(スタジアム外ボランティア)に取り組んできた。

 

 2月には、大街道や銀天街の各店舗を回ってポスターを掲出した。道後商店街さんにも、ご協力をいただいている。ホームゲームの2日前には、街頭に立って、チラシ配りと来場への呼び掛けを行ってきた。印刷物配布の他にも、松山中央商店街の土曜夜市にて行われた「ルミーとゆかいな音楽隊」のライブや「第40回 全国スイーツマラソンin東温」など、様々な地域で開催されたイベントで、愛媛FCの告知をさせていただいた。

 

 年間を通し、事務局スタッフやサポーターも目標達成に向けて努力してきたつもりだったが、5000人という数値に遠く及ばない結果となり残念でならない。今後は、これまでの活動も継続しつつ、新たな手法を見出し、チャレンジしていく必要があるのだろう。クラブと共に、課題のクリアを目指して頑張りたいと思う。

 

 今年、愛媛FCでは社長や監督が交代し、また一部の主力選手が抜け、チームとスタッフの構成も大きく様変わりした大変革の1年であった。新チームとしては、取り組む時間も限られる中、様々な場面で戸惑いや葛藤、不具合も生じたことと思われる。それでも間瀬秀一監督を中心に、バランスを崩すことなく耐え忍んだシーズンだった。

 

 対戦相手のチームに先取点を取られても、何とか粘り強く戦い終盤に追いつく、あるいは逆転という試合を幾度も目にしてきた今季。数字には表れない感動をサポーターにもたらしてくれたと感じている。

 

 最終順位は不本意ながらも、シーズン途中でJ3降格を覚悟しなければならない、などということも無かったし、慣れない環境下で間瀬監督と選手たちは良く頑張ってくれたと思う。

 

 間瀬監督の(2018シーズン)続投が伝えられた翌日の11月22日(水)。「愛媛FC2017活動報告会」が行われ、壇上の指揮官が「来季は必ず皆さんと、もっともっと喜び合える瞬間を増やしていきたいと思っています!」と力強く述べていた。生真面目で熱い気持ちを胸に秘めている間瀬監督。もう既に、来季の戦いへの準備に取り掛かっているそうだ。

 

 来る2018年、今季の感動を超える熱いシーズンが私たちを待っている。

 

 <松本 晋司(まつもと しんじ)プロフィール>

1967年5月14日、愛媛県松山市出身。愛媛FCサポーターズクラブ「Laranja Torcida(ラランジャ・トルシーダ)」代表。2000年2月6日発足の初代愛媛FCサポーター組織創設メンバーであり、愛媛FCサポーターズクラブ「ARANCINO(アランチーノ)」元代表。愛媛FC協賛スポンサー企業役員。南宇和高校サッカー部や愛媛FCユースチームの全国区での活躍から石橋智之総監督の志に共感し、愛媛FCが、四国リーグに参戦していた時期より応援・支援活動を始める。


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