ロサンゼルス・ドジャースに広島からFA移籍した黒田博樹が5日、敵地でのサンディエゴ・パドレス戦でメジャー初登板を果たした。先発の黒田はパドレス・井口資仁との日本人対決を3打数無安打で制すなど、7回を3安打1失点の好投。初勝利を手にした。試合はドジャースが7−1で勝った。
▼ヤンキース・松井は今季1号HR
 カープの赤いユニホームからドジャースブルーのユニホームに変わっても、黒田のピッチングは変わらなかった。いや、メジャーリーガーとして、より洗練されたと言えるかもしれない。7回をわずか77球で乗りきり、打たれたヒットはわずかに3本。ストレート、スライダーが小気味よくコーナーに決まり、相手打線を寄せ付けなかった。

 初回、先頭打者をサードゴロにしとめ、2番の井口との日本人対決を迎える。カウント2−1と追い込むと、外のボールで空振り三振。メジャー初の奪三振を井口から記録した。黒田は次打者にもサードゴロを打たせ、立ち上がりを三者凡退に封じる。

 それからは完全に黒田のペース。5回まで2塁を踏ませない投球をみせる。ドジャースは4回に1点を先制し、難なく勝利投手の権利を獲得して、6回のマウンドに上がった。

 このイニングもたった4球で2アウトをとり、迎えた1番・ジャイルズへの3球目。0−2とカウントを悪くし、ストライクを取りにいったストレートが高めに入る。打球は快音を残し、ライトスタンドへ。1球の失投を狙い打たれ、試合は1−1の振り出しに戻った。

 しかし、直後の7回、ドジャースは1死1塁から9番の黒田が四球を選び、チャンスを拡大する。その後、1死満塁から女房役のマーティンがライトへ勝ち越しのタイムリー。黒田もホームを駆け抜けた。さらに攻撃がつながって得点を重ね、一挙6得点のビックイニングで試合を決めた。

 黒田はその裏をゼロに封じて、御役御免。救援陣に後を託し、初勝利の瞬間をベンチで迎えた。これでドジャースは開幕4戦を3勝1敗と滑り出しは好調だ。黒田は4番目のスターターとして結果を残し、4年ぶりの地区優勝を目指すチームに大きな戦力となることを証明した。

<松井秀は今季1号>

 ニューヨーク・ヤンキースの松井秀喜が同日、本拠地でのタンパベイ・レイズ戦で今季初ホームランを放った。0−6とリードを許して迎えた3回、内に甘く入った変化球を振りぬいて、ライトポールに直撃させた。

 しかし、試合を通じて目立ったのは松井よりもレイズの岩村明憲だった。「1番・セカンド」でこの日もスタメン出場し、第1打席で四球を選び、チャンスメイク。先制点のホームを踏んだ。

 3回の第2打席にも先頭打者として、ヒットを放って出塁し、この回、レイズは一挙5点。岩村は第3打席以降もショートゴロエラー、レフト前ヒット、センター前ヒットとすべて出塁を果たした。結局、この日は4打数3安打で今季初の猛打賞。レイズは13−4で大勝した。