８月14日（水）
◇２回戦
安楽、11安打７失点も完投勝利
済美（愛媛） ９ ＝ ０１２００１３１１
三重 ７ ＝ ２０００００００５
春準Ｖの済美が三重の猛追を振り切り、初戦突破を果たした。先制したのは三重だった。１回裏、今大会屈指の剛腕・安楽智大（２年）の立ち上がりを攻めた。１番・浜村英作（３年）がヒットで出塁すると、１死後、３番・長野勇斗（２年）が変化球をライトへ運び、タイムリー三塁打。安楽から先取点を奪った。さらに安楽の暴投で長野も生還し、２点をリードする。しかし、三重のエース若林優斗（３年）も制球が安定しない。２回表には四死球で１死満塁のピンチを招くと、四球押し出しで１点を失った。３回表には済美打線の集中打を浴び、逆転されてしまう。一方、安楽は立ち直りを見せ、２回以降は三重に追加点を許さなかった。済美打線は終盤に入っても確実に得点を重ね、三重を引き離していった。ところが、８点差で迎えた９回裏、三重が驚異の粘りを見せた。怒涛の３連打で無死満塁とすると、死球押し出しで１点を返す。１死後には代打・山口竜平（３年）、浜村のタイムリーで３点、さらに２番・西村広大（３年）の犠牲フライで、この回一挙５点を返した。しかし、反撃もここまで。最後は長野がセカンドゴロに倒れてゲームセット。安楽は11安打７失点と苦しみながらも完投。済美は３回戦進出を決めた。
エース宮本、10奪三振で完封
富山第一 ５ ＝ ００００１０２２０
秋田商 ０ ＝ ０００００００００
春夏通じて初出場の富山第一が投打に圧倒し、快勝した。序盤は互いにランナーを出しながらもあと１本が出ず、ゼロ行進が続いた。均衡が破れたのは５回表。富山第一は相手エラーで無死二塁とすると、次打者の内野ゴロの間に三進する。ここで３番・黒田奨貴（３年）の犠牲フライで待望の先取点を挙げた。７回表には２死二、三塁から４番・幸山一大（２年）が走者一掃のタイムリー三塁打を放ち、秋田商を突き放した。さらに８回表にもダメ押しとなる２点を追加した。投げてはエース宮本幸治（３年）が10奪三振で秋田商をシャットアウト。富山第一が完封勝ちで甲子園初勝利を収めた。
堀田、６安打無四球で完投勝ち
常葉菊川（静岡） ５ ＝ ０３０２０００００
有田工（佐賀） ３ ＝ ００１２０００００
【本塁打】
（常）桑
先制したのは常葉菊川。２回表、１死一、二塁からエンドランをしかける。７番・金子尚史（３年）の打球は一、二塁間を抜け、二塁ランナーがホームに返って１点を先制した。さらに８番・堀田竜也（３年）が死球を受けて１死満塁とすると、９番・前川直哉（２年）が右中間を真っ二つに割る２点タイムリーを放ち、一挙３点をリードした。常葉菊川は４回表にも６番・桑原樹（２年）の２ランで貴重な追加点を挙げた。一方、有田工は３回に１点を返すと、５回裏には１死一塁から４番・古川侑利（３年）があわや本塁打かという大飛球を放ち、１点を返す。なおも１死三塁から６番・川元空（３年）が初球をスクイズ。有田工は２点差に迫った。５回以降、両校のエースが力投し、ゼロ行進が続く。特に常葉菊川の堀田は５回から８回まで１安打も許さない好投を披露した。そのまま常葉菊川２点リードで迎えた９回裏、有田工は２死から３番・仙波康弥（３年）が内野安打で出塁し、４番・古川に全てを託す。しかし、古川はショートゴロに倒れてゲームセット。49代表校の最後に登場した常葉菊川が３回戦に駒を進めた。
延長サヨナラ勝ちで３回戦進出
日川（山梨） ３ ＝ ０１０００００１１０
大阪桐蔭 ４ ＝ ０００００２１００１× （延長10回）
今大会初の延長戦となったこの試合、大阪桐蔭がサヨナラ勝ちを収めた。先制したのは日川。２回表、スクイズで先取点を挙げる。投げては先発の三枝龍史（３年）が５回まで無失点に抑える好投を見せた。しかし６回裏、その三枝が突然乱れた。無死から２者連続で四球を出してしまい、ピンチを招く。ここでエース山田基樹（３年）にスイッチした。ところが、山田も死球を出し、満塁としてしまう。５番・香月一也（２年）をセカンドゴロに打ち取るも、打球が一塁ランナーと重なる不運もあり、二塁手が後逸。この間に２人のランナーが返り、大阪桐蔭が逆転に成功した。さらに７回裏にも１点を加えた大阪桐蔭が２点をリードした。しかし、これで試合は終わらない。９回表、日川が同点に追いつき、延長戦へと突入した。そして10回裏、１死から香月が死球で出塁すると、５番・笠松悠哉（３年）がエンドランをしかけ、一、三塁とした。続く７番・福森大翔（３年）はライト前にポトリと落ちるテキサスヒット。三塁ランナーがサヨナラのホームを踏み、大阪桐蔭が３回戦進出を決めた。