8月17日(土)

◇3回戦
 打撃戦制し、8強一番乗り
花巻東(岩手)   7 = 2010000004
済美(愛媛)    6 = 0000001203 (延長10回)

  初回、花巻東が剛腕・安楽智大(2年)の立ち上がりを攻めた。1死後、打席に2番・千葉翔太(3年)を迎えた済美は、センターに三遊間を守らせるというシフトをしいた。初戦、5打席で相手投手に34球を投げさせるという脅威の粘りが身上の千葉対策だった。しかし、千葉はうまく引っ張ってヒットを放つ。これに呼応するかのように3番・岸里亮佑(3年)、4番・太田亮佑(2年)もヒットで続き、1死満塁とした。5番・多々野将太(3年)が死球押し出し、さらに6番・小熊雄飛(2年)の犠飛で花巻東が2点をリードした。花巻東は3回表にも1点を追加し、その差を3点とした。しかし終盤、済美が反撃する。7回裏に1点を返した済美は8回裏、無死一、三塁から3番・宇佐川陸(3年)のタイムリーで1点差に詰め寄ると、さらに2死三塁から5番・太田裕也(3年)のショートへの強襲ヒットで1点を加えて同点とした。試合はそのまま延長戦へ。10回表、花巻東は1死満塁から小熊のタイムリーで1点を勝ち越すと、さらに7番・山下駿人(3年)の犠飛、8番・茂木和大(2年)の走者一掃となるタイムリー三塁打で3点を追加。この回一挙4点を奪った。しかし、試合はまだ終わらない。その裏、この土壇場で安楽が今大会自身初ヒットとなる3ランを放ち、1点差とした。なおも1死一塁。だが、ここは9回途中からリリーフした花巻東のエース岸里亮佑(3年)が最後は5−4−3の併殺打に打ち取り、済美の猛追を振り切った。延長戦を制した花巻東はベスト8一番乗りを決めた。
 2年生エース・岸、無四球完投
大阪桐蔭        1 = 100000000
明徳義塾(高知)   5 = 03200000×
【本塁打】
(大)峯本

 高知の古豪・明徳義塾が2年生エースの力投で試合をモノにした。先制したのは大阪桐蔭。明徳義塾のエース・岸潤一郎(2年)から、2年生のトップバッター・峯本匠がランニングホームランを放った。大阪桐蔭は核弾頭の先頭打者弾で幸先よく先制した。一方、明徳義塾の岸は、その後にピンチを招いたものの、意地を見せる。後続を打ち取り、初回を最少失点で凌ぎ切った。踏ん張ったエースに打線は早々と援護をする。2回裏、相手のエラーで同点に追いつくと、2死一、三塁のチャンスに9番・岩見昂(3年)。岩見は外角のストレートを右方向へ弾き返した。打球はライトの頭を越える三塁打。2走者が還って、明徳義塾が2点の勝ち越しに成功した。3回裏、さらに得点を加える。1死一、二塁で西岡貴成(3年)が外角高めの真っ直ぐを叩いて、レフトオーバーのツーベース。走者を一掃し、明徳義塾がリードを4点に広げた。投げては岸が、強打の大阪桐蔭を封じ、スコアボードに0を並べた。制球力抜群の岸は、9回を投げ切り無四球完投勝利。昨夏の準決勝で2番手として登板し、タイムリーを打たれている。その雪辱を果たしたかたちとなった。明徳義塾が昨夏の王者を破り、8強に名乗りを上げた。

 21安打の猛攻で63年ぶり8強
常葉菊川(静岡)   1 = 000000100
鳴門(徳島)     17 = 30053105×

 鳴門が投打に圧倒し、大勝で63年ぶりのベスト8進出を決めた。1回裏、常葉菊川の内野のプレーにミスが続き、1死一、二塁とピンチを招く。このチャンスを鳴門が逃さなかった。2死後、3連打で一挙3点を奪った。そして4回裏には1死一、二塁から怒涛の5連打を浴びせ、この回5点を追加して試合の主導権を握った。その後も鳴門打線の勢いは止まらない。結局、22安打を放って17得点をマークした。投げてはエース板東が散発4安打1失点で、初戦に続いての完投勝ちを収めた。

 エース庄司、粘投で2失点完投
作新学院(栃木)   2 = 100001000
日大山形       5 = 30000002×
【本塁打】
(作)小林

 チャンスを確実にモノにした日大山形が準々決勝に駒を進めた。先制したのは作新学院。1死から2番・添田真海(1年)が三塁打を放つと、2死後、4番・山下勇斗(3年)が先制のタイムリー二塁打を放った。しかしその裏、日大山形が反撃する。1番・青木龍成(2年)がヒットで出塁すると、1死後、3番・峯田隼之介(3年)もヒットでつないだ。4番・奥村展征(3年)は三振に倒れるも、ここから怒涛の3連打で一挙3点を奪って逆転に成功した。2回以降は両投手陣の力投が続き、膠着状態が続いた。再び試合が動いたのは6回表。5番・小林勇介(3年)が本塁打を放ち、作新学院が1点差に迫った。しかし8回裏、日大山形はダメ押しとなる2点を追加し、作新学院を引き離した。そして最終回、日大山形のエース庄司瑞(3年)が2三振を奪う快投で3者凡退に切ってとり、ゲームセット。7年ぶりのベスト8進出を決めた。