横浜DeNAのアレックス・ラミレス監督は、沖縄・嘉手納の2軍キャンプを視察し、ドラフト3位ルーキーの阪口皓亮(北海高)を絶賛したそうだ。

 

 いわく、「直球や変化球のコンビネーション、足の使い方が良い」(スポーツニッポン2月6日付)。

 

 さすがだなあ。実は、昨年夏の甲子園で一番印象に残った投手が、彼なのだ。186センチの長身から角度のある、きれいな速球を投げる。しかも軽く145キロは出る。ほれぼれして見たものだ。ラミレス監督の目にとまるのなら、きっとその潜在能力は本物なのだろう。

 

 カープにも、これに負けないくらいの良い話題がありました。佐々岡真司2軍投手コーチが、あるルーキーをこう絶賛したのである。

 

「腕のしなりが良い。俺たちの世代で言えば伊藤智仁(元ヤクルト)くらいに見えた」

 

 さて誰でしょう。ドラフト5位の遠藤淳志(霞ヶ浦)である。

 

 こちらは184センチだが、阪口と同じような長身細身。手足が長く、たしかに美しくしなやかな腕の振りで、きれいなストレートを投げる。見惚れるピッチングとでも言おうか。

 

 もちろん、伊藤智仁はもっと速かったし、スライダーもすごかったけれど、当時のヤクルトの野村克也監督が使っていた「投球美人」という言葉は、たしかに遠藤にもあてはまる。

 

 今はまだ球速も変化球も物足りないが、体さえできれば大きく伸びる可能性はある。数年後には化けてほしいものだ。

 

 一方で、今年から活躍してほしいのが新外国人投手レオネル・カンポスである。

 

 なんと受けた會澤翼は「デニス・サファテ(福岡ソフトバンク)みたい」と評したという。外国人投手にしては珍しく、ストレートがフォーシームで、きれいな回転なのだ。

 

 おそらくは、中継ぎないし抑えを期待されているのだろう。

 

 ジェイ・ジャクソン-今村猛-中崎翔太という、いわゆる「勝利の方程式」は、たしかに2016~2017年の連覇を支えたリリーフ陣だった。しかしながら、昨年8月末の3試合連続サヨナラ負けに象徴されるように、決して完璧ではない。少なくとも、サファテほどには。

 

 そこへ、いわば「リトル・サファテ」とも言える評価がとび出したのだ。いやでも期待してしまう。

 

 少なくとも言えることは、サファテ同様、腕を上から下にタテに振ること。似ていると言えば、似ている。

 

 もちろん、今の時点で断定的なことは言えない。とくに新外国人選手は、開幕してみないとわからない。正直言えば、ややボールの出所が見えやすいフォームなのかな、という気はするが、まあこんなことは、ほんの気のせいで、杞憂かもしれません。

 

 ただ、確実に言えることが一つある。今季、カープが3連覇を目指すには、ジャクソン―今村―中崎に加えて、もう一人、サファテ並みに絶対的なリリーフ投手が必要だということだ。それはカンポスかもしれないし、別の投手かもしれない。果たして誰を起用するのか。その見極めに、首脳陣の眼力が問われている。

 

(このコーナーは二宮清純が第1、3週木曜、書籍編集者・上田哲之さんは第2週木曜を担当します)


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