11日、平昌五輪のフィギュアスケート団体2日目が行われ、初日3位の日本はアイスダンスショートダンス(SD)、女子シングルショートプログラム(SP)を終えて4位。上位5チームまでの決勝に進んだ。同日に行われたペアのフリーで木原龍一&須﨑海羽組(木下グループ)が5位で6ポイントを獲得。日本はカナダ、アメリカ、OAR(ロシアから個人資格での出場)、イタリアに次ぐ5位となった。

 

 男子シングルSPの宇野昌磨(トヨタ自動車)の活躍で初日をメダル圏内でスタートした日本。中1日で迎えた2日目はアイスダンスから始まった。日本のメダル獲得のためには村元哉中&クリス・リード組(木下グループ)がどこまで上位に食い込めるかが大きなカギだった。2人は1月の四大陸選手権で3位に入っており、調子を上げてきている。後半グループの1番滑走となった。

 

“氷上の社交ダンス”と呼ばれるアイスダンス。村元とリードは息の合った演技で氷上を舞った。四大陸選手権での自己ベストには届かなかったものの、62.15点で5位に入り、日本に6ポイントをもたらした。全体の順位は1つ落とし、4位になった。「団体戦の独特の雰囲気を楽しめたと思います」と村元。オリンピック初出場ながら。団体戦では村元が主将、リードが副主将を務める。村元は「チームが一丸となって全力で頑張りたい。この後に良い流れをつくれたかなと思います」と語った。

 

 女子シングルSPは全日本選手権4連覇中の宮原知子(関西大)が登場。映画『SAYURI』で使用された曲に乗りながら、しっとりと優雅に舞った。冒頭のジャンプで回転不足とジャッジされながら、全体的には着氷など大きなミスはなく68.95点をマークした。OARのエフゲニア・メドベージェワ、イタリアのカロリーナ・コストナー、カナダのケイトリン・オズモンドと各チームのエース級に次ぐ4位で7ポイントを獲得。日本は計26ポイントで4位をキープし、決勝進出を決めた。

 

 木原&須﨑のペアはSPで8位。5組中、最初の滑走となった。木原は「一番最初だったので、チームジャパンに勢いつけたかった」と意気込んでいたが、ミスが目立った。スロー(男性が女性のジャンプを補助し、投げ上げる技)でも着氷に失敗。2人のシンクロ率が求められるサイド・バイ・サイドでもジャンプのタイミングがずれた。SPでは自己ベストを更新した2人だが、「すごく悔しい」と口を揃え、肩を落とした。97.67点で5組中最下位。6ポイントを加算した日本は合計32点となり、ペアで2位に入ったイタリアに抜かれて5位となった。

 

 5種目を終え、トップは45ポイントのカナダ。OARが39ポイント、アメリカが36ポイント、イタリアが35ポイントと続く。決勝(フリー)は各種目最大10ポイント、最低6ポイントが加算される。1種目につき詰められる点差は4ポイントまで。この時点で日本はカナダのトータルスコアには届かない。現実的には3位を狙うことになるだろう。アメリカとのポイント差は4。男女シングルでポイントを稼ぎ、リードして最終種目のアイスダンスを迎えたいところだ。

 

(文/杉浦泰介)