12日、平昌五輪のスピードスケート女子1500mが行われ、髙木美帆(日本体育大助手)が1分54秒55で2位に入り、銀メダルを手にした。優勝はイレイン・ブスト(オランダ)。1分54秒35で金メダルを獲得した。3位にはマリット・レーンストラ(オランダ)が1分56秒26で入った。その他の日本人は小平奈緒(相沢病院)が6位、菊池彩花(富士急)が16位だった。

 

 髙木は今季W杯で4戦4勝の1500m。無類の強さを発揮しており、最終組でのスタートとなった。同走のヘザー・ベルフスマ(アメリカ)は1500mの世界記録保持者である。髙木は2日前の3000mでは5位入賞を果たしており、日本の今大会金メダル第1号としても期待されていた。

 

 最終組まででブストが1分54秒35でトップ。レーンストラが1分55秒26、ロッテ・ファンビークが1分55秒27で続く。3000mで表彰台を独占したオランダ勢が、暫定で1、2、3位に入った。この牙城を崩せるかが髙木の滑りに懸かっていた。

 

 自らのフライングで一度仕切り直しとなったスタート。最初の300mは25秒50とまずまずの入り、前をいくインスタートのベルフスマを追いかけた。暫定トップのブストに近いタイムで進める。400mのラップタイムは28秒53で、700m通過は54秒03。ベルフスマからは0.5秒、ブストからは0.07秒遅れた。

 

 次の400mのラップは29秒65。タイムが落とさずに滑り切れるかがポイントだった。バックストレートが終わり、最後のカーブに入る前にベルフスマに並び、抜き去った。後はオランダ勢のタイムとの勝負だった。最後の400mも30秒87でまとめた。フィニッシュタイムは1分54秒55。ブストには0.2秒及ばなかったものの、2位に入った。スピードスケート女子個人種目で4人目のメダリスト。銀メダルは最高成績だった。

 

 髙木は中学生でバンクーバー五輪に出場するなど早くから将来を嘱望されていた。しかし、4年後のソチ五輪では出場すらできなかった。8年ぶりのオリンピックの舞台。「8年間分の積み重ねてきたものを出していきたいと思います」。出発前に彼女はそう意気込んでいた。ゴール後に目を潤ませる場面も見受けられた。

 

 髙木は表彰台に上がった思いを「1番を取れなかったので、悔しい気持ちが込み上げてきた時間でした」と述べた。更には「まだ大会は終わっていない」と気を引き締める。「1000mとパシュートでは今以上のレースができるように準備していきたいと思います」。14日に1000m、19日にはパシュートの準々決勝を控える。メダルが期待される種目での活躍を誓った。

 

 

<女子1500m>

1位 イレイン・ブスト(オランダ) 1分54秒35

2位 髙木美帆(日本体育大助手) 1分54秒55

3位 マリット・レーンストラ(オランダ) 1分55秒26

6位 小平奈緒(相沢病院) 1分56秒11

16位 菊池彩花(富士急) 1分58秒92

 

(文/杉浦泰介)