22日、平昌五輪ショートトラック最終日が行われた。男子500mは武大靖(中国)が世界新記録39秒584で制した。今大会中国初の金メダル。日本は坂爪亮介(タカショー)が8位だった。坂爪は5000mリレーでも7位に入り、17日の1000m5位と合わせて今大会3度目の入賞を果たした。

 

 ショートトラックは1周111.12mのトラックを4人から6人が滑り、速さを競う。1周400mのスピードスケートに比べて、コーナーを回る頻度が多いのが特徴だ。加えて1度に滑る人数が多く密集戦になるため、接触や転倒が頻繁に起こる。“氷上の競輪”と呼ばれる駆け引きが魅力の競技である。

 

 日本勢は1998年長野五輪以来、表彰台から遠のいている。今大会は1種目も決勝進出できていない。男子500mではエース坂爪に期待がかかった。2大会連続のオリンピック出場の坂爪は5日前の1000mで5位入賞。個人種目の日本勢入賞は2006年トリノ五輪以来3大会ぶりだった。

 

 準々決勝を組2着で突破した坂爪は準決勝に臨んだ。強豪の中国選手1人、韓国選手2人と同組。2位以内に入れば決勝へ進める。しかし、この大一番でスタートから出遅れてしまう。1人取り残されてレースを展開。最終コーナーで大外から仕掛けたがゴール直前で転倒した。4着に終わると、5-8位決定戦も最下位で8位となった。

 

 またしても遠かった決勝の舞台、そして表彰台。昨年11月のW杯で銅メダルを獲得した5000mリレーが可能性の高い種目であったが、13日の予選で敗退。決勝に進むことはできず、この日は順位決定戦(5-7位)に回っていた。決勝の結果次第では繰り上げもあり得る。まずは最上位の5位に入って決勝を待ちたいところだった。

 

 日本は坂爪、吉永一貴(名古屋経済大学市邨高)、渡邊啓太(阪南大職員)、横山大希(トヨタ自動車)のメンバーで、アメリカとカザフスタンと戦った。序盤は日本がトップに立ち、集団を引っ張る。20周目あたり2番手に下がったが、拮抗した展開。カザフスタンを追いかける日本は残り8周で坂爪が転倒。アメリカにも抜かれ、最下位に転落した。

 

 そのまま最後まで追いつくことはできずに3着でフィニッシュ。決勝に失格チームは出なかったため、日本は7位だった。坂爪は予選でも転倒しており、「リレーの成績は全部僕のせい」と肩を落とした。「チームとしてリレーに懸けていたので本当に残念」と悔やんだ。

 

 これで平昌五輪のショートトラックは全日程を終了した。日本勢はまたしてもメダルゼロに終わった。一方でホスト国の韓国は男女1500m、女子3000mリレーを制覇。国別成績でも最多となる計6個のメダルを獲得し、“お家芸”の面目は辛うじて保った。

 

(文/杉浦泰介)