平昌パラリンピックが18日に閉幕した。最終日に行われたアルペンスキー女子回転立位で村岡桃佳(早稲田大学)が銀メダルに輝いた。村岡は今大会出場5種目全てで表彰台に上がり、1大会における日本勢最多記録を更新した。金メダルはアンナ・フォースター(ドイツ)、銅メダルはハイケ・エダー(オーストリア)が輝いた。今大会日本選手団のメダルは10個(金3、銀4、銅3)で前回ソチパラリンピックの6個(金3、銀1、銅2)を上回った。

 

「私に始まり、私に終わる」。今大会日本勢メダル第1号の村岡が、その言葉通り、最終日もメダル獲得で締めた。

 

 1本目を57秒22で滑り降り、トップと1秒86差の2位につけた。2本目は荒れたコースに苦戦し、転倒してしまう。それでも「どんな結果であれ、きちんとゴールしたい」と諦めず、最後まで滑り切った。2本目は全体3位の1分3秒97。2位を守り抜き、滑り終えた時点で表彰台は確定した。

 

 最終滑走のフォースターがミスなくまとめ、1位に立ったため銀メダルとなった。これで村岡は滑降銀、スーパー大回転銅、スーパー複合銅、大回転金に続き、苦手種目の回転でも銀。5種目全てでメダル獲得は1998年長野大会の土田和歌子(アイススレッジスピードレース)らの持つ1大会日本勢最多記録を塗り替えた。「4年前には絶対に考えられなかったこと」と21歳は自らの成長を喜んだ。

 

 これで10日間に及ぶ平昌での戦いは幕を閉じた。日本勢は10個のメダルを手にした。競技の内訳はアルペンスキーが6個、クロスカントリースキーが2個、スノーボードが2個。アルペンスキーの村岡が21歳、スノーボードで2個のメダルを獲得した成田緑夢(近畿医療専門学校)が24歳と若手の活躍が目立った印象だ。

 

 国・地域別のメダル獲得数のトップはアメリカの36個(金13、銀15、銅8)。スノーボードで13個(金5、銀5、銅3)と量産し、そのほかクロスカントリースキーで9個(金4、銀3、銅2)、バイアスロンで7個(金2、銀4、銅1)、アルペンスキーで6個(金1、銀3、銅2)と安定した成績を残した。一方、地元の韓国は冬季パラリンピック初の金メダルを含む3個(金1、銅2)だった。

 

 4年後のパラリンピックは中国・北京で開催される。

 

(文/杉浦泰介)