メジャーリーグのワールドシリーズは25日、第2戦を迎え、セントルイス・カージナルスがボストン・レッドソックスに4−2で勝ち、1勝1敗のタイとした。カージナルスは1点ビハインドの7回、相手の守りのミスもあって逆転に成功。さらに1点を加えて突き放した。レッドソックスでは2点ビハインドながら、最終回に抑えの上原浩治がシリーズ初登板。1回をパーフェクトに抑えた。田澤純一は7回、逆転を許した直後に3番手として登板。中軸のマット・ホリデーをセカンドゴロに打ち取って追加点を与えなかった。
 新人のマルティネス、好救援(カージナルス1勝1敗、フェンウェイ・パーク)
セントルイス・カージナルス 4 = 000100300
ボストン・レッドソックス    2 = 000002000
勝利投手 ワカ(1勝0敗)
敗戦投手 ラッキー(0勝1敗)
セーブ   ローゼンタール(1S)
本塁打  (レ)オルティス2号2ラン

 レンジャーズ時代の2年前にはロースターから外され、出場できなかったワールドシリーズの舞台。上原にとって念願の初マウンドは本来の勝ちゲームではなかったものの、きっちりと1イニングを3人で終わらせた。

 先頭のジョン・ジェイには珍しくボールが先行。それでもカウントを整え、フルカウントからレフトフライに打ち取る。最初のアウトをとってしまえば、背番号19のペースだ。続くダニエル・デスカルソ、マット・カーペンターはそれぞれ2球ずつでアウトを重ねた。

 胴上げ投手となったリーグチャンピオンシップから5日。この試合で登板しないと移動日を挟むため、さらに間隔が空く。第3戦以降をにらんだ調整の意味合いが強い起用とはいえ、相手打線にイヤな印象を植え付けたことは間違いない。

 カージナルス勝利の立役者は2人のルーキーだ。まず先発のマイケル・ワカが5回までレッドソックス打線を2安打無失点に封じる。6回に一時は逆転となる2ランをデビッド・オルティスに浴びたものの、しっかりゲームをつくった。これでポストシーズン負けなしの4勝目。シーズンでも4勝しかあげられなかった右腕が救世主になっている。

 7回、カーペンターの犠飛に送球ミスが重なってカージナルスが試合をひっくり返し、さらにカルロス・ベルトランのタイムリーで4−2とリードを広げる。その裏から登板したのが同じく新人のカルロス・マルティネスだ。2イニング目の8回には2死一、二塁とピンチを招いたが、初戦で3打点をあげたマイク・ナポリを内野フライに仕留め、終盤の勝負どころで役割を果たした。

 最終回はシーズン終盤から抑えに抜擢されたトレバー・ローゼンタール。ポストシーズンでは6試合に投げて無失点と申し分ない働きをみせている右腕は、3者連続三振で試合を締めた。若手3投手のリレーで初戦でレッドソックスに傾きかけた流れを戻し、いいかたちで第3戦が開催される本拠地に帰れる。