今季のメジャーリーグのフィナーレを飾るワールドシリーズが24日、開幕し、第1戦はアメリカンリーグ優勝のボストン・レッドソックスが、ナショナルリーグ覇者のセントルイス・カージナルスを8−1で破って先勝した。レッドソックスは序盤に5点を奪って試合の主導権を握ると、終盤にも追加点をあげてダメを押した。レッドソックスの田澤純一は8回2死無走者の場面で2番手で登板。2番のジョン・ジェイを見逃し三振に斬って取った。田澤は、このひとりだけをアウトにして降板。クローザー・上原浩治の出番はなかった。
 中軸が計7打点の活躍(レッドソックス1勝、フェンウェイ・パーク)
セントルイス・カージナルス 1 = 000000001
ボストン・レッドソックス    8 = 32000021×
勝利投手 レスター(1勝0敗)
敗戦投手 ウェインライト(0勝1敗)
本塁打  (カ)ホリデー1号ソロ
       (レ)オルティス1号2ラン

 社会人からプロを経ず、海を渡って5年目。右ヒジの手術やロースター枠の兼ね合いによるマイナー降格も乗り越え、ついに田澤がメジャーリーグ最高峰の舞台に立った。

 7−0と大量リードの8回だった。初回からスコアボードにゼロを重ねてきた先発左腕ジョン・レスターの球数が110球を超えたところでお役御免となり、田澤に登板機会が巡ってきた。初球からジェイに対し、150キロ超のストレートでバッターにファールを打たせる。カウント2−2の5球目、思い切り腕を振ると、速球が低めにズバッと決まり、見逃し三振。この日のピッチングは打者ひとりのみの相手ながら、しっかりと役割を果たした。

 試合はホームで初戦を迎えたレッドソックスが、立ち上がりからリードを奪う。相手のエラーもあって1死満塁のチャンスをつくると、リーグチャンピオンシップでも2本塁打と活躍したマイク・ナポリが右中間へ走者一掃の3点タイムリーを放って先制する。さらに2回、またも相手の守備の乱れに乗じて1死満塁と走者をためると、ダスティン・ペドロイアのタイムリーと、デビッド・オルティスの犠牲フライで5−0と突き放した。

 投げてはレスターが走者を背負いながらも粘りのピッチングをみせる。4回は1死満塁、5回は2死二、三塁のピンチも、ともに後続を内野ゴロに仕留めて無失点。田澤の後を継いで9回のマウンドに上がったライアン・テンプスターがマット・ホリデーにソロホームランを浴び、完封リレーこそ逃したが、投打がかみあって白星スタートを切った。

 カージナルスは守りのミスが響き、今季19勝をあげた先発のアダム・ウェインライトも踏ん張りきれず。2番打者のカルロス・ベルトランも外野守備で脇腹を痛めて途中交代し、先行きに暗雲がたちこめる1敗となった。