(写真:「基本はこの27名から(W杯の)メンバーを選ぶが追加招集もあり得る」と語った西野監督)

 日本サッカー協会は18日、都内で30日に行われるキリンチャレンジカップ2018のガーナ代表戦(FIFAランキング50位)のメンバー、27名を発表した。MF香川真司(ドルトムント)、MF本田圭佑(パチューカ)、FW岡崎慎司(レスター)が選出された他、サプライズでMF青山敏弘(サンフレッチェ広島)が代表復帰。一方で、FW久保裕也(ヘント)やFW中島翔哉(ポルティモネンセ)の招集は見送られた。

 

 

 代表“BIG3”と言われる本田、香川、岡崎の3人が揃うのは昨年8月に行われたロシアW杯アジア最終予選のサウジアラビア代表(FIFAランキング67位)戦以来だ。西野朗監督は「彼らは代表チームには欠かせない」と口にした。

 

 近年、ヴァイッド・ハリルホジッチ前監督に冷遇されていた岡崎は8カ月ぶりの復帰。西野監督はこう語った。

「我々がこれから戦う中で、止まってボールを受ける選手がいたら戦えない。ボールを速く動かせないと、世界レベルでは戦えない。プレミアリーグのタイトなゲームの中であれだけ体を動かせてストライカーとしての役割を果たしている。彼の代えはいないと思っている。岡崎はトップフォームに戻そうとしているが、1カ月ほど猶予があれば問題ない」

 

 4年前のブラジルW杯で10番を背負った香川は所属先のドルトムントで出場機会に恵まれていない。西野監督は「デリケートに考えないといけない。3カ月トップステージに立っていないので彼の状況を確認したい」と言及した。メキシコリーグで10ゴールと結果を出した本田については「代表の中心」と全幅の信頼を寄せた。

 

 指揮官の初陣となる今回、サプライズ招集もあった。現在、Jリーグで首位を走るサンフレッチェ広島の青山だ。約3年ぶりに代表に復帰。西野監督は広島の司令塔の仕事ぶりを高く評価する。

「現在、広島の中心選手であり、精神的支柱。代表からは少し遠ざかっていたが今、間違いなく最高のパフォーマンスを見せている選手の一人です」

 

 一方で、選出が有力視されていた久保と中島は選外となった。久保はベルギーリーグの日程の関係で招集を見送られた。久保の所属するヘントはリーグ優勝を決めるプレーオフを控えている。「所属クラブに迷惑がかかるのでリストには入れなかったが、戦力として考えている。追加招集もあり得る」と西野監督。前線と2列目ならどこでもこなせる久保にロシア行きのチャンスはまだ残されている。

 

 3月のベルギー遠征で評価を高めた中島は今回、メンバーから外れた。23人で戦い抜くW杯。西野監督はポルトガルリーグで10ゴール8アシストを記録した“左サイドのスペシャリスト”を選出しなかった理由をこう述べた。

「ポルトガルリーグでこの1年、結果を残したが、彼はポリバレントではなかった。日本代表は左サイドハーフが一番、(人数が)膨らむ。全体のバランスを見て、今回は選出しなかった」

 

 W杯の正式メンバーはガーナ戦の翌日に発表予定だ。その後はヨーロッパに渡り、6月9日(日本時間)にスイス代表(FIFAランキング6位)、12日にパラグアイ代表(同32位)と親善試合を行い、ロシアW杯本番に臨む。

 

【日本代表メンバー】

 

GK

川島永嗣(FCメス)

東口順昭(ガンバ大阪)

中村航輔(柏レイソル)

DF

長友佑都(ガラタサライ)

槙野智章(浦和レッズ)

吉田麻也(サウサンプトン)

酒井宏樹(マルセイユ)

酒井高徳(ハンブルガーSV)

昌子源(鹿島アントラーズ)

遠藤航(浦和レッズ)

植田直通(鹿島アントラーズ)

MF

長谷部誠(フランクフルト)

青山敏弘(サンフレッチェ広島)

本田圭佑(パチューカ)

乾貴士(エイバル)

香川真司(ドルトムント)

山口蛍(セレッソ大阪)

原口元気(デュッセルドルフ)

宇佐美貴史(デュッセルドルフ)

柴崎岳(ヘタフェ)

大島僚太(川崎フロンターレ)

三竿健斗(鹿島アントラーズ)

井手口陽介(レオネサ)

FW

岡崎慎司(レスター)

大迫勇也(ブレーメン)

武藤嘉紀(マインツ)

浅野拓磨(シュトゥットガルト)

 

(文・写真/大木雄貴)