30日、サッカー日本代表(FIFAランキング60位)は神奈川・日産スタジアムでガーナ代表(50位)と親善試合を行い、0対2で敗れた。試合は前半8分にMFトーマス・パーティーに直接FKを決められ、後半6分にはMFエマニュエル・ボアテングにPKを決められた。

 

 柴崎が好アピール(日産スタジアム)

日本代表 0-2 ガーナ代表

【得点】

[ガ] トーマス・パーティー(8分)、エマニュエル・ボアテング(51分)

 

 西野朗新体制の初陣となったガーナ戦。新監督は3バックと2シャドーを置く3-4-2-1の布陣を採用した。

 

 3バックは左から槙野智章(浦和レッズ)、長谷部誠(フランクフルト)、吉田麻也(サウサンプトン)が入った。2シャドーは宇佐美貴史(デュッセルドルフ)と本田圭佑(パチューカ)が務めた。

 

 5分、最初にチャンスを作ったのは日本だった。左ウィングバックの長友佑都(ガラタサライ)が左サイドを突破しクロスを上げた。このボールにFW大迫勇也(ブレーメン)が胸トラップし左足でシュートを放つが相手GKにキャッチされた。

 

 ところが前半8分、日本はガーナにペナルティーアーク付近からのFKをパーティーにゴール右隅に決められて先制を許した。

 

 27分、今度は右ウィングバックの原口元気(デュッセルドルフ)がMF大島僚太(川崎フロンターレ)のスルーパスに反応し右サイドをえぐってクロスを上げた。中央で待ち構えた大迫が頭で合わせたが枠を捉えることはできなかった。

 

 両サイドのウィングバックが相手の裏を取る以外、チャンスは作れなかった。2シャドーが良いタイミングで落ちてボールを受ける、相手サイドバックをオフザボールの動きで混乱させることはほとんどなかった。

 

 後半、日本は宇佐美に代えてMF香川真司(ドルトムント)、原口に代えてMF酒井高徳(ハンブルガーSV)、大迫に代えてFW武藤嘉紀(マインツ)を投入したが、流れを変えるには至らなかった。

 

 6分、GK川島永嗣(FCメス)が与えたPKをボアテングにゴール中央に決められてリードを広げられる。

 

 15分、西野監督はMF山口蛍(セレッソ大阪)に代えてゲームメーカータイプのMF柴崎岳(ヘタフェ)を投入。彼がこの試合で唯一の明るい材料となった。

 

 投入から1分後、長友からマイナスのパスを受けた柴崎はペナルティーエリア手前左から右足を振り抜く。「入りたての時間だったので威嚇じゃないですけど、個人としての入り方としてああいう場面で巡ってきたので(シュートを打った)。決めたかった」

 

 17分には柴崎が左サイドからアーリークロスを供給。これは中で待ち構えた途中出場のFW岡崎慎司(レスター)には惜しくも合わず。20分には柴崎がヒールキックで流し大島がペナルティーエリア手前から左足を振り抜くが惜しくもゴール左に逸れた。42分にはサンターサークル付近でボールを受けると相手をひとりかわし、右サイドを走る酒井高徳にスルーパスを通した。

 

 日本は、柴崎が入りリズムが良くなったがあと一歩及ばず、タイムアップの笛が鳴り、W杯に出場しないガーナに0対2で敗れた。

 

 ゲームメーカーとしてアピールをした柴崎は試合後、こう語った。

「攻撃でアイディアを出してゴールに迫りたいと考えていた。味方と息を合わせてスペースをいいタイミングで使おうと思っていた。フィニッシュに課題はあるが前段階ではうまくできた部分もある。なるべくチャレンジをしようとした。西野監督が求めるサッカーは緩急が求められる。結構、ボランチのパス出しが肝になってくるようなサッカーなので、そこは精度を上げていきたい」

 

 前監督時代とは異なり縦一辺倒のサッカーではなくなった。2シャドーの効果的な動きとボランチの配給がカギを握る3-4-2-1システム。柴崎がロシアの地でも日本のハンドルを握っているのだろうか。ロシア行きのメンバーは31日の午後に発表される予定だ。

 

(文/大木雄貴)