今季のメジャーリーグで、最も活躍した投手に贈られるサイ・ヤング賞が14日、発表され、アメリカンリーグでは最多勝(21勝)をあげたマックス・シャーザー(デトロイト・タイガース)が選ばれた。ア・リーグではダルビッシュ有(テキサス・レンジャーズ)、岩隈久志(シアトル・マリナーズ)が揃って最終候補に挙がっていたが、日本人初の栄誉はならなかった。ナショナルリーグでは、クレイトン・カーショー(ロサンゼルス・ドジャース)が2度目の受賞を果たした。
 サイ・ヤング賞は全米野球記者協会30人の投票によって決まり、5人の投手に順位をつけて、その点数(1位・7点、2位・4点、3位・3点、4位・2点、5位・1点)の合計で決定する。その結果、30名中28名が1位に投じたシャーザーが203点(ほかに2位・1票、3位・1票)を稼ぎ、1位。ダルビッシュは2位票が最高で17人と最も多く、得点は93点(ほかには3位・3票、4位・1票、5位・6票)にとどまり、次点に終わった。

 また岩隈は2位が6票、3位が12票などで73点の3番手だった。最終候補には入っていなかったものの、ボストン・レッドソックスで抑えとして世界一に貢献した上原浩治にも2位・2票、3位・2票が入り、計10点で全体の7位となった。

 今季のダルビッシュはリーグ最多となる277奪三振をマークし、13勝9敗、防御率2.83の成績を残した。しかし、夏場以降、勝ち星が伸びず、チームも地区優勝を逃したことから、1位票を集められなかった。岩隈はダルビッシュを上回る14勝6敗、防御率2.66の好成績だったが、チームが下位に低迷したため、強いインパクトを残せなかった。

 これまでサイ・ヤング賞に最も近づいた日本人は野茂英雄と松坂大輔で、野茂はドジャース時代の95年と96年、松坂はレッドソックス時代の08年に、いずれも4位に入っている。今回、ダルビッシュと岩隈はともに、日本人の最高位を上回った。過去、得票があったのも、松坂と野茂に加え、06年の斎藤隆(当時ドジャース)、昨年のダルビッシュの4人だけで、日本人初の快挙はおあずけになったとはいえ、今季の活躍ぶりを象徴する結果となった。