9日(日本時間)、サッカー日本代表(FIFAランキング61位)はスイス代表(同6位)とスイス・ルガーノで強化試合を行い、0対2で敗れた。試合は前半42分にDFリカルド・ロドリゲスにPKを決められた。後半37分にはFWハリス・セフェロビッチに追加点を奪われた。

 

 本田、“自分の家”のトップ下で見せ場なし(ルガーノ)

日本代表 0-2 スイス代表

【得点】

[ス] リカルド・ロドリゲス(42分)、ハリス・セフェロビッチ(82分)

 

 ガーナ戦では3-4-2-1を試した日本代表。スイスには慣れ親しんだ4-2-3-1で臨んだ。トップ下にはMF本田圭佑(パチューカ)が入った。

 

 6分、DF長友佑都(ガラタサライ)が左サイドはなからクロスを供給。FW大迫勇也(ブレーメン)が競ってこぼれ球にFW原口元気(デュッセルドルフ)が反応し、右足でループを放つが相手GKにセーブされた。これ以降、日本にチャンスは訪れなかった。

 

 日本は前線の本田、大迫にボールが収まらず押し込まれる展開が続いた。35分には大迫が腰を痛めてしまい40分にベンチに退く。FW武藤嘉紀(マインツ)がピッチに入った。

 

 大迫交代直後だった。FWブリール・エンボロにペナルティーエリアに侵入される。止めに入ったDF吉田麻也(サウサンプトン)がファウルを犯してしまいPKを与える。このPKをロドリゲスにゴール右に決められて先制を許す。吉田は意図的にファウルを犯したわけではないが、うまく誘われた格好となった。

 

 1点ビハインドで後半に入った日本は、後半も決定的なかたちをつくれず。本田はボールをロストする場面が目立ち、起点をつくれなかった。以前のような力強さを発揮できなかった。西野朗監督はゴールを奪うためにFW乾貴士(ベティス)、MF柴崎岳(ヘタフェ)ら攻撃的なカードを切るが奏功せず。

 

 少しでも相手ゴールの近くでボールを奪うために前から積極的にプレスをかけ、奪取に成功してもパスが雑だったり、トラップミスなどでせっかくのマイボールをすぐに失う。

 

 前がかりになるものの流れに乗り切れない日本代表。37分、コーナーキックのチャンスをふいにするとスイスのカウンターを食らう。左サイドを相手のエースMFジェルダン・シャキリに突破されクロスをあげられる。ファーサイドのDFフランソワ・ムバンジェにヘッドで折り返されてゴール中央のセフェロビッチに右足で押し込まれ万事休す。日本はいいところなく0対2でスイスに敗れた。

 

 スコア以上に内容のない試合だった。大迫が抑えられると全く起点がつくれなかった。今までは彼がひとり、前線でクリアーボールを収めてくれていたから全体を押し上げる時間がつくれていた。ここを強烈なプレスで抑えられると日本は何もできないことを露呈してしまった。

 

 日本は12日(日本時間)にパラグアイ代表と強化試合を行い、19日(日本時間)にW杯初戦のコロンビア戦を迎える。テストできるのは残り1試合。短い時間で課題克服となるか。

 

(文・大木雄貴)