(写真:「グラウンダーでスピーディーにボールを動かさないと日本は厳しい」と持論を展開した西野監督)
日本サッカー協会は31日、都内で会見を開き、FIFAワールドカップロシア大会のメンバー23人を発表した。壮行試合のガーナ代表戦メンバーからMF三竿健斗(鹿島アントラーズ)、MF井手口陽介(レオネサ)、FW浅野拓磨(ハノーファー)が外れた。怪我が完治していないMF乾貴士(エイバル)やアジア最終予選で活躍したMF原口元気(デュッセルドルフ)らがメンバー入りした。
西野監督は「(合宿スタートから)10日足らずの活動で23人のリストをあげないといけない。難しかった」と口にした。今朝、全員のメディカルチェックを行い、スタッフ陣の意見も聞きメンバーを選んだ。日本代表は今月21日から合宿をスタート。昨日のガーナ戦が西野朗監督の初陣だった。
ガーナ戦メンバーから若手の三竿、井手口、浅野が外れた。特に井手口、浅野は日本がロシアW杯出場を決めたホームのオーストラリア戦でゴールを奪っている。最終予選突破に貢献した2人だが、ここ数カ月、所属クラブで出場機会を失い試合勘が鈍っていたことが影響した。
指揮官はこう語る。「この舞台に立たせてくれたのも彼らの力。過去、代表でのパフォーマンスも良かった。それを今回も求めたかった。ただ、彼らは現状、トップのパフォーマンスではなかった。彼らの状態を確認したくて招集した。パフォーマンスは上がってはきたが、現時点でトップパフォーマンスではなかった」。それと同時に「これからの日本サッカーを背負ってくれる選手だと思っています」と今後への期待を口にした。
一方で右太ももの打撲が完治しきっていない乾が選ばれた。乾はスペインリーグで年間通じて出場機会を確保していたが、リーグ最終節前に負傷した。西野監督は乾についてこう語った。
「彼のスタイルは代表にはあまりいない。ゲームでの状態のチェックはできなかったが、2週間前まではトップフォームだったのでロシアW杯には十分間に合う。ガーナ戦もゲームに強引に入れようと思えばできたが、無理はさせたくなかった」
乾は日本人離れした技術と俊敏性をいかしたドリブルが武器の選手。意外性のあるプレーで敵を欺くテクニシャンだ。怪我を抱えながらもリストに残したのだから期待値の高さをうかがわせる。
この23人で6月2日(日本時間)に日本を発ち、最初の合宿地スイスへ飛ぶ。そして9日(同)にスイス代表と親善試合を行う。西野監督はここで寵愛する乾を試すことができるのか。今度は23人の中での競争が始まる。
【日本代表メンバー】
GK
川島永嗣(FCメス)
東口順昭(ガンバ大阪)
中村航輔(柏レイソル)
DF
長友佑都(ガラタサライ)
槙野智章(浦和レッズ)
吉田麻也(サウサンプトン)
酒井宏樹(マルセイユ)
酒井高徳(ハンブルガーSV)
昌子源(鹿島アントラーズ)
遠藤航(浦和レッズ)
植田直通(鹿島アントラーズ)
MF
長谷部誠(フランクフルト)
本田圭佑(パチューカ)
乾貴士(エイバル)
香川真司(ドルトムント)
山口蛍(セレッソ大阪)
原口元気(デュッセルドルフ)
宇佐美貴史(デュッセルドルフ)
柴崎岳(ヘタフェ)
大島僚太(川崎フロンターレ)
FW
岡崎慎司(レスター)
大迫勇也(ブレーメン)
武藤嘉紀(マインツ)
(文・写真/大木雄貴)