6月22

 

 昨夜、東京からモスクワを経由して日本代表-セネガル戦の開催都市、エカテリンブルグに入りました。エカテリンブルクはモスクワから東に約1700km。今回、ロシアワールドカップの会場では最も東に位置し、モスクワとは2時間の時差もある。

 

 朝も小雨がぱらついていて、ちょっと肌寒い。夏とはいえ、上着は欠かせません。気温は12、13度といったところでしょうか。

 

 宿泊する三ツ星ホテルから、エカテリンブルグアリーナは約5km。ナビゲーションで見てみると、徒歩で約1時間もかかるが日頃の運動不足を解消するためにレッツ・トライです。一緒にロシアにやって来た先輩ライターさんと一緒にてくてく歩くことにしました。

 

 しかし振り返ってみると南アフリカも、ブラジルも、治安の関係上、あまり出歩かないようにしていました。ブラジルでの初戦、コートジボワール戦の開催地レシフェではスマホを出して歩こうとしただけでホテルスタッフから「狙われるからやめておいたほうがいい」と忠告されたほどです。

 

 散歩をすると、いろいろと町の雰囲気を楽しめて面白いです。いきなり街路樹の一つが倒れていて、家の庭の柵にのし掛かっていましたが……。

 

 ウラル地方にあるスヴェルドロフスク州の州都エカテリンブルグは思った以上に大きな都市で、歩いていてもあちこちに大きなビルが立ち並び、車がひっきりなしに走っています。公共の交通も路面電車、トロリーバス、地下鉄、バスと充実していて、多くの人が利用しています。

 

 スーパーマーケットやマクドナルドなどの軽食のお店もあります。キョロキョロしながら歩いていると、あいさつもされました。

 

 さて1時間近く歩くと、エカテリンブルグアリーナが見えてきます。

 

 このスタジアム、早く見たかったんです。というのも開幕2日目のエジプト―ウルグアイ戦をテレビで観て、びっくりしましたから。両ゴール裏の観客席が急こう配で張り出していて、いびつな形になっています。

 

 1957年に設立されたスタジアムですが、このワールドカップに合わせて改修されたようです。収容人数の条件をクリアするために、ゴール裏に仮設スタンドがつくられたわけですが、一番上の席だと目の前にある屋根部分が邪魔になるんじゃないかなと思います。会場のメディアセンターに行く前に下からパチリと写真を撮ってみましたが、上のほうはちょっと怖そうですね。

 

 メディアセンターに入ると、簡単な食事ができます。温かい料理を食べられるほか、サンドイッチや飲み物も売っています。ここで食事をして、ちょっとした仕事を済ませてから再び一時間掛けて、ホテルへ。帰りにスーパーマーケットに立ち寄って朝食のパンや水を購入しました。ロシアの通貨はルーブルで日本円に換算すると1ルーブルは約1.7円ぐらいです。

 

 夜はブラジル-コスタリカ戦の結果をチェックしながら、ホテル横にあるレストランへ。

ロシアと言えばボルシチ!

 

 早速注文し、メインはサーモンとチキンのグリルにしました。そしてロシアのワインも注文しました。

 

 伝統料理のボルシチはテーブルビートを使った煮込みスープで、タマネギや人参なども入っていて栄養たっぷり。チーズも入っていましたね。テーブルビートの鮮やかな色が食欲を誘い、深みある味が胃袋にしみわたります。パンと一緒に食べるので、メインディッシュに行く前にお腹が膨れました。

しかしおいしいものはいくらでもお腹に入ります。サーモンもロシアは有名ですよね。グリルもペロリとたいらげ、完食いたしました!

 

 先輩ライターさんと2人で、5000円に届かないぐらい。ワインも1本開けているので、安いですよね。

 

 さて明日は、日本代表の公式練習取材に行ってきます。ベッドでスイス-セルビア戦を見ながら、寝ちゃいます。おやすみなさい!

 

 あっ、そうそう、一つ怖いことがありました! 歩いて帰っているとホテル近くの民家から犬の吠える声が聞こえたと思ったら、突然飛び出してきたんです!

 

 犬に追い掛けられるなんて小学生以来。ちょっと懐かしくも思いましたが、海外で犬にかまれて何かあったら洒落にもなりません。原口元気選手ばりの走力で、逃れることができました。

 いい運動になったので、ぐっすりと眠ることができそうです。

 

 6月23

 

 おはようございます。起きたら、部屋の外で小鳥が鳴いていて気持ち良く起きることができました。天気はここにやってきて初めての快晴です。

 

 朝は先輩ライターの部屋にお邪魔して、昨日買ったパンとコーヒーをいただきます。

 気温は急上昇して22度ぐらいになるとか。半袖で大丈夫そうです。

 

 正午にホテルをチェックアウトして、初めてタクシーアプリの「Uber」を使って、タクシーを呼んでみました。これまで海外取材のストレスに交通手段の確保がありましたが、かなり便利なシステムです。GPS機能で自分の所在地が伝わっており、行きたい場所を入力するとタクシーの種類と値段が表示されます。近くにいる「Uber」ドライバーを探ってくれ、ドライバーさんの情報も入ります。OKであれば、承認ボタンを押します。わずか10分ほどでホテルに迎えに来てくれました。

 

 目的地も既に入力済みのために間違いはなく、お金もクレジットカード払いなので現金要らず。最後に車を降りてからアプリでドライバーさんを評価して終わりです。この評価が実は大事なようで、他のユーザーが決める際の指標になるとのこと。

 

 ドライバーさんは専門職ではないということで大丈夫かなと思ったのですが、何も問題なくスタジアムに到着できました。一般のタクシー料金と比べてもかなり安いとのことです。

 

 この日は夕方から西野朗監督、吉田麻也選手の試合前日会見がありました。セネガルをどう崩していくかという質問に対して指揮官は「乾と大島に、5kg増量して、5cm身長を伸ばせという調整に失敗したので、それ以外で対応しなければならない」とジョークを飛ばして会見場の笑いを誘っていました。体格差とは違う部分で勝負したい、との意思表示でもあると思います。

 

 この日からカメラマンさん、先輩ライターさんと男5人の共同生活がスタートします。旅の費用を少しでも抑えるためですが、部活動を思い出して楽しいものです。

 

 さあ明日はセネガル戦。我々も体調を整えて、決戦に臨みたいと思います!