24日、サッカーロシアW杯グループG第2節がニジニ・ノブゴロドで行われ、イングランド代表がパナマ代表に6対1で大勝した。イングランドは前半8分にセットプレーからDFジョン・ストーンズが決めて先制。22分にはFWハリー・ケインがPKで追加点を挙げる。さらに3点を加え、大量リードで前半を終えた。後半は両チームが1点ずつ取り合った。これで勝ち点を6としたイングランドは、先に試合を終えていた同6のベルギーと共に、決勝トーナメント進出を決めた。一方、パナマはグループリーグ(GL)敗退となった。

 

 ケイン、PK2発含むハットトリック(ニジニ・ノブゴロド)

イングランド 6-1 パナマ

【得点】

[イ] ジョン・ストーンズ(8分、40分)、ハリー・ケイン(22分、45+1分、62分)、ジェシー・リンガード(38分)

[パ] フェリペ・バロイ(78分)

 

 新星イングランドがゴールラッシュだ。24歳の攻守の要が躍動した。キャプテンでエースのケインはハットトリック。守りの要ストーンズが2得点を挙げた。大量6ゴールでW杯初出場のパナマを粉砕した。

 

 先制点は得意のセットプレー。8分、右CKをMFキーラン・トリッピアーがGKから逃げていくボールを放り込む。それを中央に走り込んできたストーンズがフリーで合わせた。首を振ってゴール左を狙ったヘディングシュートが決まる。イングランドは初戦の2ゴールもCKから生まれた。ここまでエースのケイン、ストーンズら長身選手の高さを生かせている。

 

 20分、裏を抜け出したMFジェシー・リンガードがペナルティーエリア内で倒される。PKを獲得すると、これをエースのケインがゴール左へ豪快に叩き込んだ。35分にはリンガードがFWラヒーム・スターリングとのパス交換から、鮮やかなミドルシュートをゴール右に決めた。

 

 イングランドは再びセットプレーでゴールを奪う。40分に敵陣中央でFKを得た。ゴールまでは少し距離がある。パナマの選手たちがレフェリーに抗議をしている間、イングランドのトリッピアー、ケインら数人の選手が集まって話し合っていた。

 

 するとイングランドはサインプレーを敢行。キッカーのトリッピアーは、ペナルティーエリア内からペナルティーアーク付近に下りてきたMFジョーダン・ヘンダーソンへグラウンダーのパスを送る。ヘンダーソンはファーサイドへクロス。ケインが頭で折り返したところにスターリングがフリーで合わせた。スターリングのヘディングシュートはGKに防がれたが、こぼれ球をストーンズが頭で押し込んだ。

 

 終了間際にはケインが自ら得たPKを難なく決めて5対0。大量得点を挙げて、前半でほぼ勝負を決めた。

 

 ゴールラッシュの仕上げは後半12分。MFルベン・ロフタス=チークのミドルシュートがケインのカカトに当たり、ボールはゴールに吸い込まれていった。ケインはこれでハットトリックを達成し、今大会5ゴール目だ。得点ランキングでも4ゴールのFWクリスティアーノ・ロナウド(ポルトガル)、FWロメル・ルカク(ベルギー)を抜いて単独トップに立った。

 

 一方のパナマはW杯初ゴールを目指す。セットプレーからベテランが奮闘。33分、左サイドのFKから途中出場のMFリカルド・アビラがクロス。37歳のDFフェリペ・バロイがペナルティーエリア内中央で、スライディングで合わせると、シュートはゴール右に突き刺さった。記念すべき初得点にパナマサポーターも大きく沸いた。

 

 だがパナマの反撃もここまでだった。イングランドが6対1の大勝。2連勝で、早々に決勝トーナメント進出を決めた。GL最終節は同じく2連勝のベルギーと首位通過を争う。

 

(文/杉浦泰介)