(写真:<右から>田嶋幸三会長、森保一新監督、関塚隆技術委員長)

 日本サッカー協会(JFA)は26日、都内で会見を開き、森保一氏がA代表の新監督就任を発表した。契約は2年間。森保新監督は東京五輪世代のU-21代表監督と兼任する。兼任は2000年シドニー五輪、2002年W杯日韓大会を兼任したフィリップ・トルシエ氏以来となる。

 

 ロシアW杯が閉幕し、10日が経過した。ロシアの地で指揮を執った西野朗監督とJFAの契約は7月末まで。就任前に田嶋幸三会長とかわした約束通り、続投はしなかった。したがって、JFAは2022年カタールW杯の日本代表監督探しに躍起になっていた。

 

 元ドイツ代表指揮官のユルゲン・クリンスマン氏らの名前も挙がっていたが、以前から“最有力候補”だった森保ジャパンが誕生した。

 

 会見に出席したJFAの田嶋幸三会長は森保新監督を指名した理由をこう述べた。

「世代交代を実現するには五輪監督とA代表の2つの重要な役割を担ってもらう方が良いと思った。1人が兼任することの良さも私は見てきた。このチャレンジにふさわしい人材が森保さんだった。2022年、そしてそれより先に日本サッカーをつなげるために森保さんが適任だった」

 

 ロシアW杯開幕時の日本代表の平均年齢は28.3歳。世代交代が今後のタスクとなる。森保新監督は“年代間の融合”という言葉を用いた。

 

「年代間の融合でA代表だけでなく、日本サッカー全体の発展につながるようにしたい。世代交代は必ず必要ですが、ベテランを招集しない、というのではない。ベテランが持っている経験を、経験の浅い若い選手に伝えてもらう。五輪の選手をA代表に入れる。そして五輪代表にさらに下の世代の選手を入れる。こうすることで少しずつ融合できるのではないかと考えています」

 

 森保新監督がロシアW杯にコーチとして帯同し、感じたのは「日本人の持つメンタリティーを活かすことも大事」ということだった。具体的にはどういうことなのか。森保新監督はこう説明した。

「自分が成功したい、自分が試合に出たい……。自分が、という気持ちもある中で、お互いにお互いを尊重して、チームの結果のために協力し合う日本人の持つメンタリティーをロシアW杯で感じた。この特性を活かして戦うのが大事だと思った」

 

 五輪監督と、A代表を兼任し、森保新監督は世代間融合と“日本化”を進める――。

 

(文・写真/大木雄貴)