ボート/福井に向け全種目出場枠確保。国体レガシーで着実に強化進む

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 DCMダイキボート部・武田大作は選手として大会にエントリーするのと並行して、愛媛県ボート協会強化部長も務めている。この7月は7~8日に宮城で開催された全日本社会人選手権に出場し、22日は強化部長として福井国体に向けた「国民体育大会ボート競技四国ブロック大会」(愛媛県今治市)の愛媛県勢の運営サポートと大忙しの日々を送った。まず、自身がオールを握った社会人選手権について聞いた。

 

 4人乗り艇でも出場

「今回、シングルスカルと舵手なしクォドルプルの2種目にダブルエントリーしました。結果はクォドルプルが優勝、シングルスカルは4位。実はレース前に腰を痛めていて、シングルについてはほぼ出ただけという状態でした。クォドルプルは4人乗り艇で、いつも私が乗っている1人乗りのシングルスカルよりもスピードが速い。同じ愛媛県の今治造船の選手2人と東京の選手と合同チームで出場しましたが、いつもよりスピードが上がった分、技術を正確にしなければならない。そういう面で収穫の多いレースでした」

 

 武田らの合同チームは決勝で2位・警視庁を約3秒引き離す6分39秒73で優勝。武田の他、2人の愛媛県勢クルーの好調ぶりも秋の福井国体に向けて好材料である。

 

 22日、四国ブロック大会は今治市の玉川湖ボートコースで行われた。愛媛県勢は11種目すべてで福井国体の出場権を獲得。全県出場の成年女子ダブルスカルと合わせ12種目で福井国体に出場する。県ボート協会強化部長の武田としても一安心といったところだろう。

 

「少年男女、成年男女いずれの種目も1位で出場権を獲得したことが嬉しいです。少年の部は昨年、2年生でえひめ国体を経験した選手が引き続き残っていて、とてもいい状態です。この先、全国はレベルが高く厳しい戦いになりますが、そこは各校の指導者の先生方は皆さん、指導上手です。国体本番までの仕上げが本当にうまいので安心して任せていられますね。成年の部は私を筆頭にして、大学生選手と練習をして刺激を受けるなど、こちらも9月末からの本番に向けて動き出しています。個人的には昨年のえひめ国体は足、そして今回、社会人選手権は腰と、大会直前に負傷したので、当日まで体調を万全にすることに留意します。8月は暑さに気をつけながら長い距離を漕いで持久力をつけ、福井国体を迎えたいですね」

 

 さらに武田は、昨年、地元で開催された「えひめ国体」のおかげで、ボート関連の施設が充実。それも少年、成年の強化に役立っていると語った。

 

「えひめ国体の開催が決まったときから、玉川湖ボートコースの設備改修など様々なバックアップを受けました。施設面では2016年に78艇が収納できる玉川艇庫が完成し、また桟橋が新しくなって船の出し入れがしやすくなり、練習時のストレスが減りました。当然、全種目の強化用の船もあるし、オールも充実しました。さらに指導用に波の出ない双胴艇も導入され、伴走指導ができるなど練習環境が整いました。こうした強化も県民の方々の理解、応援があってこそと思って感謝しています。また昨年、えひめ国体でボート競技の応援にも大勢の方が駆けつけてくれました。その中からボートをやってみようという子供たちも出てくることでしょう。設備などハード面はもちろん、将来の選手という人的レガシーもえひめ国体は残してくれましたね」

 

 えひめ国体に向けた強化のために、施設改修や新設が行われたのはもちろんボート競技だけではない。愛媛県内に残された「国体レガシー」は、着実に愛媛県スポーツ界の未来を支える重要な遺産となっている。

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