大相撲春場所は23日、千秋楽を迎え、13勝1敗の大関・鶴竜(井筒)が大関・琴奨菊(佐渡ヶ嶽)を寄り切りで下し、初土俵から74場所目で悲願の初優勝を収めた。鶴竜は先場所、優勝決定戦で敗れたものの、優勝した横綱・白鵬(宮城野)と並ぶ14勝をあげており、横綱審議委員会の内規(大関で2場所連続優勝、またはそれに準する成績)を満たし、場所後の第71代横綱昇進が確実になった。新横綱の誕生は日馬富士(伊勢ヶ濱)以来、1年半ぶり。これで朝青龍以降、4代連続でモンゴル出身力士の横綱が続き、来場所は白鵬、日馬富士、鶴竜と史上初めて外国出身横綱が3人同時に番付に載る。


 鶴竜は2001年九州場所で初土俵。05年九州場所で十両に昇進すると、翌年の同場所で新入幕を果たす。12年初場所は初顔合わせ以来、1度も勝てなかった白鵬を破って2場所連続の2ケタ勝利。翌春場所も白鵬に勝って13勝をあげたが、優勝決定戦で敗れて初優勝を逃す。しかし、3場所連続の10勝以上で場所後に大関に昇進した。

 大関となってから昨年までは10勝未満が10場所中7場所と精細を欠いたが、先場所は初日の黒星から挽回して14連勝。今場所も3日目に早くも土がつくも、上位陣との直接対決をすべて制して初の賜杯を手にした。今後は24日に横綱審議委員会での推挙を受け、26日に開かれる夏場所の番付編成会議と理事会を経て正式に横綱昇進が決定する。