9月29日に開幕する「福井しあわせ元気国体」(以下、福井国体)に、愛媛県は617名の選手団(役員34名含む)を送り込む。5日には出発に先立ち、選手団結団式・壮行会が愛媛県内で行われた。

 

 昨年、地元開催のえひめ国体において、愛媛県は天皇杯、皇后杯ともに過去最高となる2位を獲得した。愛媛県選手団には昨年同様の活躍が期待される。結団式で中村時広・愛媛県知事は「目標は天皇杯、皇后杯ともに13位ですが、ひとつでも上を目指して全力で頑張ってほしい」と選手を激励した。

 

 地元開催の昨年は総勢921名の選手がえひめ国体に参加した。今年の選手団規模は、一昨年の岩手国体の選手団(646名)と同規模。参加競技数は特別競技の高校野球を含めて37競技となる。

 

 結団式では選手団旗手を務める松木千晶(剣道・えひめ国体成年女子優勝)に団旗が手渡され、選手代表の平田美幸(競泳少年女子)が福井国体に向け、宣誓を行った。平田は「スポーツの持つすばらしさや生み出す感動を、西日本豪雨で被災した愛媛から全国へ発信し、笑顔で力の限り競技する」と、力強く決意を述べている。

 

 地元開催のえひめ国体出場を最後に昨年限りで競技生活にピリオドを打った選手も多く、今年の愛媛県選手団は多くの競技でフレッシュな顔ぶれが並ぶ。過去最高の2位という成績をいきなり上回ることは難しいが、今回の福井国体を含めて、愛媛県スポーツ協会では「地元開催の国体が終わり、県スポーツ界は新しいステップを踏み出した。国体は今回目標としている13位のように、天皇杯20位以内を常にキープできる地力を養っていくことが重要」としている。

 

 長谷川/庄司ペアが連覇

 ポストえひめ国体--。スポーツ立県を掲げる愛媛県は、今後も成年、少年ともに継続して強化、振興を図ることになる。その大きな牽引役となるのが、これまで何度も述べているえひめ国体を機に新設、整備された県内各所のスポーツ施設である。県内競技関係者も「えひめ国体を機に西条市に石鎚クライミングパークが新設された他、既存の設備も整備、拡張がされた。こうした国体レガシーの活用こそ、今後の愛媛県スポーツ界躍進の原動力になる」と地元国体後に期待を寄せている。

 

 なお29日の開幕に先行して、9日~17日まで会期前競技4競技が行われた。

 

 愛媛県勢ではビーチバレー男子で長谷川徳海/庄司憲右ペアが昨年に続いて連覇を達成。同女子の村上礼華/松尾優美ペアが5位入賞、クレー射撃スキート個人で泉勝彦が準優勝を果たした。競泳も個人3種目で入賞するなど、愛媛県勢は健闘を見せ、天皇杯29位、皇后杯16位につけている。福井国体での愛媛県勢の活躍を期待したい。

 

福井しあわせ元気国体開催概要
開催期間 9月29日~10月9日
開閉会式会場 9.98スタジアム(福井県営陸上競技場)

 

開催競技
正式競技
陸上競技、水泳、サッカー、テニス、ボート、ホッケー、バレーボール、ボクシング、体操、バスケットボール、レスリング、セーリング、ウエイトリフティング、ハンドボール、自転車、ソフトテニス、卓球、軟式野球、相撲、馬術、フェンシング、柔道、ソフトボール、バドミントン、弓道、ライフル射撃、剣道、ラグビーフットボール、山岳、カヌー、アーチェリー、空手道、クレー射撃、なぎなた、ボウリング、ゴルフ、トライアスロン

特別競技
高等学校野球

公開競技
綱引、ゲートボール、パワーリフティング、グラウンドゴルフ


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