26日、優勝へのマジックナンバーを1としていた広島はマツダスタジアムで東京ヤクルトと対戦。10対0で勝利し、リーグ優勝を決めた。広島のリーグ優勝は2016年から3年連続9回目。セ・リーグにおける3連覇はこれまで巨人しか成し遂げたことがなく、広島がリーグ史上2球団目の快挙となった。

 

 広島が勝つか引き分けで優勝が決まるこの試合、広島は九里亜蓮、ヤクルトはデービッド・ブキャナンが先発した。初回、広島は一番・田中広輔がセンター前ヒットで出塁すると、菊池涼介がすかさず送って1死ニ塁。3番・丸佳浩がセンター前に弾き返して1点を先制した。その後も広島は松山竜平のツーベース、野間峻祥の内野安打、會澤翼のレフト前ヒット、安部友裕の犠牲フライなどでこの回5点を奪い、主導権を握った。

 

 先発の九里は2回表、ウラディミール・バレンティンの打球を右足に受けるアクシデントがあったものの、3回までノーヒットピッチング。4回無死満塁のピンチもバレンティンをファーストフライ、雄平をショートゴロゲッツーで切り抜けた。九里の好投に乗せられるように打線も奮起、5回に1点、6回と7回に2点ずつを加えて、10対0と試合を決定付けた。
九里は8回まで121球を投げて無失点、被安打2と好投し、9回のマウンドは守護神の中﨑翔太に譲った。中﨑は坂口智隆をセカンドフライ、上田剛史を三振、最後のバッターとなった山田哲人を空振り三振に仕留めて、ゲームセット。広島が3連覇を達成した。

 

 27年ぶりに本拠地球場での胴上げで緒方孝市監督は、球団優勝回数と同じ9度、宙に舞った後、優勝監督インタビューにこう答えた。

 

「今年は絶対マツダで優勝決めるという気持ちで、今日も臨みました。ファンの方とこうして喜ぶことができて嬉しく思います。皆さん、リーグ優勝、3連覇、おめでとうございます! マツダでの胴上げは最高ですね。今日はなんと言っても九里。今シーズン一番のピッチングをしてくれた。シーズンはここまで長く感じました。苦しい中を主力選手が引っ張り、そして若い力、新しい力がチームに大きな力となってくれた。でも、ここがゴールじゃありません。日本一というゴールに向けて戦いは続きますので、応援お願いします!」

 

 

 セ・リーグのポストシーズンは10月13日から2位チームと3位チームが対戦するクライマックスシリーズ(CS)ファーストステージが始まり、広島はこの勝者と17日からファイナルステージを戦う。日本シリーズは10月27日、セ・リーグ出場チームの本拠地から始まる。16年は日本シリーズで敗れ、昨季はCSファイナルステージで苦汁をなめた。緒方カープ、悲願の日本一なるか。セのポストシーズンも目が離せない。