29日、JA全農世界卓球団体選手権東京大会2日目が行われ、チャンピオンシップ・ディビジョンのグループBの日本女子代表(ITTF世界ランキング3位)は米国代表(同28位)とハンガリー代表(同11位)と対戦した。米国戦の日本は、石垣優香(日本生命)、石川佳純(全農)、森さくら(昇陽高)で臨み3連勝。続くハンガリーとの試合は、石垣、石川、平野早矢香(ミキハウス)の3人で全勝。これでグループリーグ3連勝となった。黒星スタートとなった男子(ITTF世界ランキング3位)は丹羽孝希(明治大)、水谷隼(DIOジャパン)、松平健太(ホリプロ)の3人でルーマニア代表(同20位)を3対0で下し、今大会初勝利をあげた。
(写真:エースとしての期待がかかる石川。この日も2勝をあげた)
◇チャンピオンシップ・ディビジョン
・女子グループB
日本 3−0 米国
(石垣3−0チャン、石川3−0ウー、森3−2ジャー)

「全員が1勝という状況を作りたかった」。日本代表の村上恭和監督の希望通りの結果となった。初日を白星でスタートした日本。村上監督は昨日出番がなかった石垣、森を1、3番手に据えた。

 まず石垣は「次につながるプレーを」と1番手の任務を全うした。11−5、11−7、11−9と危なげなくストレート勝ち。米国がカットマンに弱いというチームの分析も当たった。2番手の石川は第1ゲームで3−4と1点ビハインド。そこから8連続得点を奪い、このゲームを取る。その後の2ゲーム連取し、片を付けた。

 先輩2人の連続ストレート勝ちで、世界卓球デビューの森に託す。チーム最年少の18歳は「自分のプレーを出すことが大事」と平野からアドバイスを受けたという。インフルエンザで一時離脱するなど、決して万全の調整を積めてきたわけではなかったが、3−2でモノにした。これで5人全員が大舞台を経験し、それぞれが初勝利を掴んだ。理想的なスタートを切ったと言えるだろう。

日本 3−0 ハンガリー
(石垣3−0アンブルシュ、石川3−1ペルゲル、平野3−1マダラース)

 米国戦から約5時間後、日本はハンガリーを相手に完勝した。米国に比べると格上となることもあり、オーダーは3番手の森を平野に代えた。エースのゲオルギナ・ポータを警戒して1番手にカットマンの石垣を置いた。だが、ポータが体調不良のため棄権。予想していた組み合わせとはならなかったが、石垣は持ち味を十分に発揮した。

 石垣は得意のカットで相手にスキをほぼ与えなかった。3−0のストレートで石川につなぐと、石川は左利きのサンドラ・ペルゲルに苦戦したものの、第3、4ゲームはいずれも9−9から連続得点で接戦を制した。最後は平野が3−1で締め、グループリーグ3連勝を果たした。

 これで3戦全て3対0。村上監督も「全員が負けずにグループリーグの勝負どころである台湾戦を迎えられた。今までの出来としては最高です」と好スタートを喜んだ。明日はグループリーグの天王山となる台湾戦。ここまで全勝同士の対決で1位突破をかける。

・男子グループC
日本 3−0 ルーマニア
(丹羽3−1イオネスク、水谷3−1カザク、松平3−1セーチ)

 初日を落とした男子は、ルーマニアに3対0で完勝した。トップバッターの丹羽が3−1で取ると、続くエース水谷が3−1で2連勝。いい流れで次につないだ。

 3番手は松平。本来は起用予定はなかったが、倉嶋洋介監督によれば、昨日の敗戦でオーダーを組み替えたという。「先のことを見据えて、(松平)健太に勝利をあげさせたかった」という意図があった。「僕自身も出たかった」と松平も、3−1という結果で監督の期待に応えた。ただ本調子にはまだ遠いようだ。得意のサーブやレシーブのキレ味も鋭いとは言えず、本人も「まだまだ納得していない」と渋い表情。倉嶋監督も「60、70%」とみる状態だ。

 チームとともに掴んだ初白星が、復調のきっかけとなるのか。明日はフランス、ポルトガルというグループリーグの山場を迎える。決勝トーナメント進出のため、そして以降に勢いをつけるためにも是が非でも連勝したい。

(文/杉浦泰介)