27日、広島vs福岡ソフトバンクの日本シリーズ第1戦がマツダスタジアムで行われ、延長12回の末、2対2で引き分けた。広島が初回、菊池涼介のソロホームランなどで2点を先制。ソフトバンクは5回、アルフレド・デスパイネの内野安打と相手のエラーで2点をあげて同点に追いついた。最後は、延長12回裏、2死二塁とサヨナラのチャンスを作った広島だったが、田中広輔が三振に倒れゲームセット。第2戦は明日28日、マツダスタジアムで行われる。

 

◇第1戦
 両軍、計15投手が登板も譲らず (広島1分 マツダ)
福岡ソフトバンク 2 = 000|020|000|000
広島  2 = 200|000|000|000

本塁打  (広)菊池1号ソロ

 

 セ・リーグ優勝の広島、パ・リーグ2位ソフトバンクの対戦となった今年の日本シリーズ。予告先発制が採用され、広島は大瀬良大地、ソフトバンクは千賀滉大の先発でゲームは始まった。

 

 初回、広島が1死から2番菊池が3ボール1ストライクから、高めに浮いた千賀のストレートを捉えて、左中間スタンドへ先制1号ソロホームランを放った。1点をリードした広島はさらに千賀を攻めて1死一、二塁から松山竜平がライト前タイムリー。2対0と広島がゲームをリードした。

 

 セ・リーグ最多勝の大瀬良にソフトバンクは4回まで無安打に抑えられ、迎えた5回、先頭の中村晃、続く内川聖一が連打で出塁し、ノーアウト一、三塁とチャンスを作った。西田哲朗のサードゴロの間にランナーが進みニ、三塁。2死の後、打順は千賀に回ったが、工藤公康監督は早くもデスパイネを代打に送った。

 

 デスパイネはカウント1ボール2ストライクからの4球目、大瀬良のストレートを叩き、打球は二遊間へ飛んだ。この打球を菊池涼介が好捕するも、一塁へ悪送球。ファースト松山が後逸する間に2者が生還、2対2の同点に追いついた。

 

 その後、ソフトバンクは武田翔太、石川柊太が、広島は岡田明丈、一岡竜司が踏ん張り、無得点。ソフトバンクは6回に1死一、二塁、広島はその裏、1死ニ、三塁とチャンスを作ったが、あと1本が出なかった。結局、ソフトバンク森唯斗、広島ヘロニモ・フランスアの奮投もあり、試合は延長戦へ突入した。

 

 11回、チャンスをつくったのはソフトバンク。川島慶三がレフト前ヒットで出塁し、ジュリスベル・グラシアルの送りバントで進塁。2死の後も一、三塁とチャンスは続き、広島の7番手ジョニー・ヘルウェグが内川に死球を与えて満塁。代打・福田秀平が左打席に入ったが、レフトフライに倒れて、勝ち越しはならなかった。

 

 広島も再三の好機で二盗を仕掛けて、ソフトバンクバッテリーに阻止されてチャンスを逸した。今年から延長規定が改められ、最終回となった12回裏、1死一塁で代打・新井貴浩が登場し、この日一番の歓声があがったが、新井はピッチャーゴロに倒れて2死二塁。トップの田中に一打サヨナラの期待がかかったが、リバン・モイネロの前に三振に倒れた。

 

 日本シリーズでの引き分けは2010年、千葉ロッテ対中日以来、8年ぶり。シリーズ初戦での引き分けは75年の阪急対広島、86年の広島対西武に続いて3度目。広島は初戦で引き分けたシリーズでは、ともに日本一を逃している。


 第2戦の先発は広島がクリス・ジョンソン、ソフトバンクがリック・バンデンハークと発表されている。

 

(文/SC編集部・西崎)