28日、日本シリーズ第2戦がマツダスタジアムで行われ、広島が福岡ソフトバンクに5対1で勝利した。広島は初回に鈴木誠也の適時打で先制。3回に2点を追加すると、5回には鈴木の2点タイムリーで突き放した。守っては先発のクリス・ジョンソンが7回1失点の好投。残り2イニングをヘロニモ・フランスア、中﨑翔太の継投で逃げ切った。第3戦は移動日を挟み、明後日30日に福岡・ヤフオクドームで行われる。

 

◇第2戦
 1番・田中、3安打2得点の活躍(広島1勝1分け マツダ)
福岡ソフトバンク 1 = 000|000|100
広島       5 = 102|020|00×

勝利投手 ジョンソン(1勝0敗)

敗戦投手 バンデンハーク(0勝1敗)

 

 白熱の投手戦で引き分けた第1戦。4時間半を超える熱闘から一夜明けて第2戦を迎えた。

 

 広島の先発マウンドは左腕エースのジョンソンに託された。シーズンからコンビを組む石原慶幸のミット目がけて長身から投げ下ろす。打線を組み替えてきたソフトバンク打線を相手にストレートに変化球を織り交ぜる。初回は先頭の川島慶三をセカンドフライに打ち取ると、2番の今宮健太、3番のユリスベル・グラシアルをインコースの変化球で空振り三振に切って取った。

 

 ジョンソンは完璧な立ち上がりで、攻撃に繋げた。ソフトバンクのリック・バンデンハークに赤ヘル打線が襲い掛かる。先頭の田中広輔がレフトへツーベース。2番の菊池涼介が初球をバントし、田中を三塁へ進めた。3番の丸佳浩は157kmの剛速球で空振り三振に終わったものの、4番の鈴木が一仕事。ストレートを叩くと、ショートへ詰まった打球が飛ぶ。チャージするショートの今宮がファーストへ送球も鈴木の足が勝った。内野安打で広島が1点を先制した。

 

 2回、3回とパーフェクトピッチングを続けるジョンソン。次の得点も広島が挙げる。3回裏、田中がライト前ヒットで出塁する。続く菊池の打球はセカンドへ。セカンド川島は二塁封殺を狙うが送球が逸れて、無死二、三塁となった。ここで丸はレフトへのフライを打ち、俊足の田中をホームへ迎え入れた。鈴木の凡退後、5番の松山竜平が三遊間を破り、もう1点を追加する。

 

 3点の援護をもらったジョンソンはフォアボールとヒットとエラーで、無死一、三塁のピンチを招いた。ここで迎えるのがソフトバンクのクリーンアップ。グラシアル、柳田悠岐、アルフレド・デスパイネの3人をショートライナー、空振り三振、ショートゴロに仕留めた。粘りのピッチングで、スコアボードにゼロを並べた。

 

 試合が動いたのは5回裏。1死から菊池がレフト前ヒット、丸がライトへの二塁打で繋ぐ。鈴木は2ボール1ストライクの4球目、バンデンハークの変化球をセンターへ弾き返した。2人が生還し、5対0とリードを大きく広げた。勝利を大きく手繰り寄せる4番の一振りだった。

 

 ジョンソンは7回表に松田宣浩にタイムリーを浴びたが、4安打1失点の好投でマウンドをリリーフ陣に譲った。後を受けたフランスア、中﨑はノーヒットで締めくくった。「昨日は厳しいゲームで勝ち切れなかった。ホームでどうしても1勝を挙げたかった」と緒方孝市監督。ホームでまず1勝をもぎ取った。

 

 緒方監督は「しっかりと自分たちの野球ができた」と胸を張る。1、2番でチャンスをつくり、クリーンアップが打点を挙げる。理想的な攻撃で得点を重ねた広島。守っても先発、リリーフがきっちり仕事を果たした。まさしく完勝だった。一方、打線を組み替えたソフトバンクだったが、4安打1得点と効果は表れなかった。

 

(文/杉浦泰介)