サッカーW杯に2002年日韓大会、06年ドイツ大会と連続出場した元日本代表の宮本恒靖さんは、昨年、日本人元プロ選手では初めて「FIFAマスター」を修了した。同マスターはFIFA(国際サッカー連盟)などのスポーツ機関を支える人材育成を目的に設立されたスポーツ学の大学院だ。宮本さんは11年の現役引退直後に受験し、競争倍率10倍以上の難関を突破して合格。12年9月から翌年7月まで、スポーツの歴史や経営、法律について学んだ。そして、このほど、マスターで学んだこと、考えたこと、感じたことを1冊の本にまとめ、角川学芸出版より発刊した。タイトルは『日本サッカーの未来地図』。サッカーファンはもちろん、スポーツ文化やビジネスに興味のある方には手にとってほしい1冊となっている。
<わずか10カ月とはいえ、17年間の現役生活に負けないぐらい、濃密で充実した時間になった>
 この本のプロローグで、宮本さんはFIFAマスターでの学業生活をそう振り返る。
 
 今回、宮本さんとともに学んだのは24カ国・地域から集まった30名。国籍も年齢も職業も異なる同期生と、英国レスターでスポーツの歴史を、イタリアのミラノで経営を、スイスのヌーシャテルで法律を勉強した。

 講義やディスカッションで使用する言語はすべて英語だ。サッカー漬けだった日々は、机にかじりつく日々へと一変。座学での学習のみならず、息抜きに実施したフットサルやスポーツ観戦を通じても、宮本さんはヨーロッパのスポーツ文化や経営に関する理解を深めていった。

 マスター修了後は、ヨーロッパの指導者ライセンスも受講。サッカー解説や、子ども向けスクールの「ミヤモトフットボールアカデミー」に携わる傍ら、この1月にはJリーグの特任理事にも就任し、日本サッカー界をより発展させるべく精力的に活動を続けている。

 現役を離れ、マスターでの勉学を通じて見えてきた日本のサッカー、スポーツの現状と、その改善点も、この本では提言されている。<サッカーはこの国で、より大きな存在になれる>。それが宮本さんの信念だ。間もなくスタートするサッカーW杯や、6年後に控えた東京オリンピック・パラリンピックに向け、この国ではますますスポーツの注目度は高まることだろう。スポーツで豊かな社会を築く上で、アスリートとして世界で戦い、最先端のスポーツ学を修得した宮本さんの意見は大いに参考となるはずだ。

 なお、この本では「Sportsプレミア」内コーナー「FOOTBALL STANDRD」、携帯サイト「二宮清純.com」スマホサイト「ニノスポ」内コーナー「日本代表特捜レポート」の著者である二宮寿朗さんが構成を担当している。

『日本サッカーの未来地図』

プロローグ 引退、そしてFIFAマスターとの出会い
第1章 歴史を学ぶ 〜イギリス〜
第2章 経営を学ぶ 〜イタリア〜
第3章 法律を学ぶ 〜スイス〜
第4章 FIFAマスターを修了して
第5章 サッカーを文化にしたい
エピローグ W杯、東京五輪、そして日本サッカーの未来

(角川学芸出版/定価:1300円+税/宮本恒靖著)

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