10月「2018Jユースカップ 第26回Jリーグユース選手権大会」が開幕した。この大会は、Jリーグクラブのユース(U-18)チームや一般財団法人 日本クラブユースサッカー連盟の地域代表チームなど、全56チームが参加するノックアウト方式によるトーナメント戦である。

愛媛新聞社

 

 

 

 

 10月14日(日)、Jユースカップ1回戦の「愛媛FC U-18対湘南ベルマーレU-18」の試合が愛フィールド梅津寺(愛媛県松山市)で行われた。

 

 朝から晴天に恵まれた梅津寺。試合開始1時間前には愛媛のサポーターは勿論のこと、湘南のサポーターや選手の家族や友人も大勢、応援に詰め掛けていた。

 

<写真:2018Jユースカップ1回戦、愛媛 vs 湘南の熱戦!>

 午後1時にスタートした試合は序盤、愛媛がボールをキープし、やや優位にゲームを展開していた。しかし前半15分、相手のカウンター攻撃から先制ゴールを許した。湘南サポーターから歓声や歓喜のチャントが沸き起こる。愛媛としては嫌な展開……。それでもチームメイト同士で声を掛け合い、反撃を試みた。

 

 巧みな個人技で、再びボールの支配率を高めて両サイドスペースを上手く使い、敵陣にと攻め込むと前半17分、FW柳下将野選手の同点ゴールが飛び出した。勢いに乗る愛媛は、その3分後にも柳下選手がゴールを決め逆転に成功した!

 

「ラララララララララララー!オオオオー!」

 

 愛媛サポーターによる歓喜のチャントが会場に鳴り響く。

 

 その後も手を抜くことなく敵陣へと攻め入る愛媛だったが、追加点は奪えず前半が終了。後半に入ると、反撃とばかりに湘南もアグレッシブな攻撃を見せる。後半6分、自陣ゴール前での一瞬の隙を突かれ、同点に追いつかれた。このゴールで相手を勢いに乗せてしまい、愛媛は守勢に回った。それでもGK草野真人選手を中心にDF陣が踏ん張りを見せ、ゴールを死守する。

 

 守備を整え、自陣から丁寧なビルドアップを図り、攻撃を展開する愛媛。徐々にリズムを取り戻し、幾度となく得点チャンスを創り出す。そして後半21分、FW岡田蒼生選手がゴールマウスをこじ開け、勝ち越し点を奪取した。会場から歓声が沸き起こる! チームメイトと喜びを分かち合う岡田選手。愛媛サポーターの興奮も最高潮だ! スコアは3-2と愛媛がリードのまま終盤へ。

 

 その後も一瞬たりとも気を抜けない展開だったものの、時間は過ぎ去りタイムアップ。岡田選手のゴールが決勝点となり愛媛が接戦を制し、2回戦進出を果たした。

 

 展開が早く、攻守において見応えのある素晴らしい試合だった。その中で、勝利を掴み取ることができたのは愛媛の若き戦士達にとって大きな収穫だった。

 

 試合後は選手たちと一緒に勝利のラインダンスを踊り、次戦への気持ちを高めた。

 

 2回戦は10月20日(土)、三協フロンテア柏スタジアム(千葉県柏市)にて行われた。

対戦相手の柏レイソルU-18は愛媛よりも上位のカテゴリーに参戦している。試合は前半6分に相手に先制を許す難しい立ち上がりとなった。それでも、その4分後に柳下選手が敵陣内のルーズボールに素早く反応してゴールをゲット! すぐさま愛媛が同点に追いついた。

 

 その後も愛媛はボールの支配率を高め、試合を優位に進めたが、相手GKのスーパーセーブも飛び出し、追加点を奪えぬまま、後半も終了。スコアは動かず、90分で決着は付かなかった。

 

 延長戦に入ると、試合間隔が1日長く、比較的コンディションで勝る柏の攻撃陣に苦しめられた。延長戦前半は何とか耐え抜いたが、後半に入ると開始3分に勝ち越し点を奪わた。7分にもPKで失点し万事休す。愛媛はここで敗れ、残念ながら3回戦に駒を進めることはできなかった。

 

 悔しい敗戦だが、それでも「U-18プレミアリーグEAST」に参戦している強豪チームの敵地で善戦することができたし、選手たちの成長を感じられた大会だった。胸を張って、愛媛に帰ってきてもらいたい。

 

 奮闘した選手たちを私達サポーターも労ってあげたい気持ちはあるが、休んでいる暇はない。11月からは「プリンスリーグ四国」が再開される。現在、リーグ戦で2位につける愛媛。首位の徳島ヴォルティスユースとの直接対決が控えているだけに気を抜かず、仲間達と切磋琢磨に努め、シーズン終盤戦へと臨んで欲しいものである。

 

<松本 晋司(まつもと しんじ)プロフィール>

1967年5月14日、愛媛県松山市出身。愛媛FCサポーターズクラブ「Laranja Torcida(ラランジャ・トルシーダ)」代表。2000年2月6日発足の初代愛媛FCサポーター組織創設メンバーであり、愛媛FCサポーターズクラブ「ARANCINO(アランチーノ)」元代表。愛媛FC協賛スポンサー企業役員。南宇和高校サッカー部や愛媛FCユースチームの全国区での活躍から石橋智之総監督の志に共感し、愛媛FCが、四国リーグに参戦していた時期より応援・支援活動を始める。

 

愛媛新聞社


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